2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型解析を用いた特発性側弯症病態解明に関する研究
Project/Area Number |
13470300
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
南 昌平 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (20166086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正志 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50281712)
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Keywords | 特発性側弯症 / 側弯度(Cobb) / エストロゲン受容体遺伝子 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
二次性徴が終了した特発性側弯症のうち女性患者に対し、遺伝子検査に関するインフォームドコンセントを行い、遺伝子検査の承諾を得た患者230名について、成長や初潮時期に関連すると報告されているビタミンD受容体(VDR)、エストロゲン受容体(ER)、チトクロームP450c17α酵素(CYP17)の遺伝子多型解析を行った。遺伝子多型はRFLP解析により、PCRを用いて各々の遺伝子多型領域を増幅し、電気泳動を行い、各側弯症患者の遺伝子多型を決定した。今回検索した遺伝子多型としてVDR遺伝子はApa I、Fok I、Taq I多型を、ER遺伝子はPvu II、Xba I多型を、CYP17遺伝子はMspA I多型を対象として検索した。各側弯症患者の臨床的背景についてはX-P検査で側弯度(Cobb)を測定し、経過観察中の最大側弯度、側弯度の進行と初潮時期、身長の推移との関連を検討した。側弯の進行には身長の推移が関与し、二次性徴終了が遅い患者ほど最大側弯度が大きく、側弯が進行する危険性が高いことが判明した。遺伝子多型解析ではVDR遺伝子およびCYP17遺伝子において遺伝子多型間に有意差はなく、ER遺伝子のXba I、Pvu II多型では遺伝子多型間で最大側弯度、側弯症の進行と有意に相関し、側弯症の進行にER遺伝子多型が関連していることが示唆された。現在さらに症例を増やして解析中であるが、あらたにより正確な側弯症の進行を認知する目的で、脊髄の形態・走行との関連に着目し、MRI検査により画像解析ソフトを用いて、脊髄形態と走行を構築することにより、側弯症の進行との関連を検討する研究継続中である。
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