2001 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムスクリーニングから獲得されたOPLL候補遺伝子CBFA2の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
13470301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井ノ上 逸朗 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (00192500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 公明 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20274821)
中島 敏晶 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (50307956)
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Keywords | 後縦靭帯骨化症 / ゲノム解析 / 羅患同胞対連鎖解析 / 感受性遺伝子 |
Research Abstract |
後縦靭帯骨化症(OPLL)は整形外科領域におけるCommon Diseaseのひとつで、高齢疾患であるにもかかわらず、比較的強い遺伝背景の存在が知られている。OPLLの成因について、これまで数多くの報告がなされているものの、その成因について未解決の問題が多い。我々はゲノム全域での羅患同胞対連鎖解析より、OPLL責任遺伝子座の特定を成功のうちに完了した。(1)140対OPLL羅患同胞対を収集できた、(2)400ヶ所のマイクロサテライトによるゲノム全域での連鎖解析により数カ所に連鎖を認めた、(3)最も強い連鎖を21番染色体(21q22)D21S263で認めた(最大Lod=3.4, P=0.000009)、(4)連鎖を認めた10センチモルガン(10Mb)で120ケ所のマイクロサテライト多型を同定し、それぞれのマイクロサテライトでの患者・対照関連解析により、さらに狭い領域に遺伝子座を絞り込んだ。これらの成果に従い感受性遺伝子のポジショナルクローニングを試みている。 21番染色体のゲノム配列は榊、清水グループによって解読されており、詳細な遺伝子マップを容易に得ることができると同時にSNP(single nucleotide polymorphism)データベースも充実しており、疾患感受性遺伝子のポジショナルクローニングが試みるに最適の領域である。21q22領域において、これまで50個の遺伝子、200カ所のSNPを患者、対照それぞれ96人につきアソシエーション・スタディにて解析している。スクリーニングの段階でいくつものSNPで有意な差が得られ、多くは偽陽性と予想された。解析するサンプル数を増やすことにより、偽陽性を除く作業をおこなった。その中で、ひとつの遺伝子について強い有意差を得ることができている。家族歴のある患者群でより強い有意差を得ているので、感受性遺伝子である可能性の高い遺伝子を同定できたといえるだろう。今後、さらに詳細な遺伝学的検討を加え得られた結果を確実にしていくとともに、機能解析についての検討を加えていきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Maeda, S: "Functional Impact of Human Collagen α2(XI)Gene Polymorphism in Pathogenesis of Ossification of Posterior Longitudinal Ligament of the Spine"J.Bone.Miner.Res.. 16. 948-957 (2001)
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[Publications] Furushima, K: "Large-Scale Screening for Candidate Genes of Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament of the Spine"J.Bone.Miner.Res.. 17. 128-137 (2002)
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[Publications] Onda, H: "Genomewide-Linkage and Haplotype-Association Studies Map Intracranial Aneurysm to Chromose 7q11"Am.J.Hum.Genet.. 69. 804-819 (2001)