2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチドピロフォスファターゼ(NPPS)による骨軟骨代謝調節機構―TTWマウスの骨軟骨組織の解析とヒトNPPS遺伝子SNPsの骨軟骨疾患への関与―
Project/Area Number |
13470302
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 克志 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30262009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60126133)
平岡 久忠 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10262007)
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40282660)
池川 志郎 東京大学, 医学部・附属病院, 研究員 (30272496)
|
Keywords | 後縦靭帯骨化症(OPLL) / ヌクレオチドピロフォスファターゼ(NPPS) / 骨 / 軟骨 / ポリモルフィズム / SNP / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
1)SNPsの検索:OPLL症例および健常例計96例を対象にして、NPPS遺伝子座の全25個のexonとその近傍のintron、およびpromoter領域約1.5kbについてSNPsを検索した。これにより同定できたSNPsは全14カ所で、promoter領域に3ヶ所、exonに6ヶ所、近傍intronに5ヶ所であった。 2)Case-control association study:上記のSNPsについて、当科外来患者でその背景となる臨床データベースを完備しているOPLL症例125例(平均63.3歳)および健例332例(平均53.6歳)の間でassociation studyを行った。この内、IVS15-14C-T(IVS15:exon 16の上流14bpでのC→Tへの変異)がOPLL群と健常群で有意な差を示した(7.8% vs. 2.4%、p=0.027)。 3)Internal association study : OPLL症例全125例の中で、上記2カ所のSNPsと骨化傾向との相関を検討した。IVS15についてはTalleleを持つT(+)群ではT(-)群よりも有意に骨化椎体数が多かった(8.6±1.8 vs. 5.8±0.3椎体、p=0.018)。OPLL症例を若年群(平均41.8歳)、中間群(平均56.2歳)、老年群(平均64.6歳)とし、各群におけるSNPsと骨化椎体数の関連について検討した。その結果、IVS15に見られた有意な相関は若年群においてのみ見られ、中間群、老年群では認められなかった。若年群においてT(+)群はT(-)群よりも有意に骨化椎体数が多く(13.0±2.2 vs. 6.1±0.7椎体、p=0.002)、この相関はOPLL症例全体における解析よりも強く見られた。 以上より、OPLLの有無および骨化傾向と、ヒトNPPS遺伝子座のsplice acceptor site近傍のSNPであるIVS15多型との間に強い相関がみられた。この相関は、環境要因の関与が弱く遺伝子要因の関与がより強いと考えられる若年発症群で強く認められた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yu Koshizuka: "Nucleotide pyrophosphatase-gene polymorphism associated with ossification of the posperior longitudinal ligament of the spine"Journal of Bone and Mineral Research. 17. 138-144 (2002)
-
[Publications] 川口 浩: "骨形成因子"臨床整形外科. 35(9). 992-993 (2000)