2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチドピロフォスファターゼ(NPPS)による骨軟骨代謝調節機構―ttwマウスの骨軟骨組織の解析とヒトnpps遺伝子SNPsの骨軟骨疾患への関与―
Project/Area Number |
13470302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 克志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30262009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
平岡 久忠 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10262007)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
池川 志郎 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー(研究職) (30272496)
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Keywords | 後縦靭帯骨化症(OPLL) / ヌクレオチドピロフォスファターゼ(NppS) / 骨 / 軟骨 / ttwマウス / cystatin 10 |
Research Abstract |
1)ttwマウスの成長軟骨の異常を検討したが、個体差が大きく、野生型との比較において有意な細胞レベルの異常を特定することは出来なかった。また、骨折を作製してその治癒過程も観察したが、明らかな異常は見出せなかった。 2)ヒトnpps遺伝子に関して、ヒトnpps遺伝子座におけるSNPsのOPLL病態発現への機能解析を行った。疾患への感受性が有意に認められたSNPs(IVS15-14T->C)が、NPPSの産生や機能に実際に関与しているかどうかを検討するために、血液中のNPPS濃度および無機ピロリン酸濃度を測定し、遺伝子型との相関を検討したが、ともに有意な相関は認められなかった。 3)ttwマウスが高リン食により異所性骨化が著明に増強することを見いだした。そこで、食事の異なる2群間(低リン食、高リン食)でdifferential displayを行い、両群で発現パターンの異なる6種類の新規遺伝子を単離した(Koshizuka Y et al. Cytogenet and Cell Genet 94:163,2001)。更にその中で、全身の組織の中で軟骨でのみ特異的に発現している1種類の遺伝子を特定した。この遺伝子は、cysteine protease inhibitorファミリー(cystatin)に相同性を有することから、cystatin10 (Cst10)と命名された。この遺伝子は、ttwの異所性骨化が増強した高リン食群で発現量が増加しており、培養細胞を使った実験では、Cst10が軟骨細胞様細胞の分化促進、石灰化の亢進、さらには軟骨細胞様細胞のアポトーシスを誘導するなど、軟骨の分化に、広範に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)