2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的解析に基づいた運動器疾患の病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
13470309
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中瀬 尚長 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
橋本 淳 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40237938)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
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Keywords | 骨形成因子 / 内軟骨性骨化 / 脊椎症 / 副甲状腺ホルモン関連蛋白 / ヘッジホッグ蛋白 / 遺伝子発現 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.社会的に問題となることの多い、脊椎症の分子メカニズムを解明するために、脊椎症の動物モデルを用いて、近年軟骨代謝の鍵を握る分子群として注目されている副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)、ヘッジホッグ蛋白(インデイアンヘッジホッグ: Ihh)とそのレセプター群の遺伝子発現を経時的に観察・解析した。その結果、脊椎症初期には、前方隅角部の椎間板の細胞にPTHrPとそのレセプターの遺伝子発現を認め、後期には、内軟骨性骨化用の組織像を示す部位の細胞で、PTHrPとIhhそしてそのレセプター群の遺伝子発現を認めた。これらの結果は脊椎症の進展のメカニズムにこれらの軟骨形成関連因子が関与することを示唆するものであり、これらの遺伝子の部位・時期特異的な発現様式の解明が、脊椎症治療の標的検索に寄与するものと考えられた。 2.骨形成因子とそのファミリーのヒト疾患における関与について検討する目的で、ヒトBMP-2およびその類縁物質である、CDNP-1のcDNAを用いたin situ hybridizationによる解析を行った。BMP-2遺伝子はそのレセプターと共に、軟骨増殖性疾患である骨軟骨腫の軟骨形成部位の細胞に強い発現を認めた。また、腱形成因子としても注目されているCDMP-1は、ヒトの肩関節の腱組織断裂時の修復反応において強い発現が認められた。これらの結果は、ヒトの外傷や疾患において骨形成因子ファミリーが実際に発現しその病態に関与することを示唆するものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakase, T., et al.: "Involvement of BMP-2 signaling in a cartilage cap in osteochondroma"J Orthop Res. 19. 1085-1088 (2001)
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[Publications] Nakase, T., et al.: "Immunohistochemical detection of parathyroid hormone-related peptide, Indian hedgehog, and patched in the process of endochondral ossification in the human"Histochem Cell Biol. 116. 277-284 (2001)
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[Publications] Ariga, K., et al.: "Localization of Cathepsins D, K, and L in Degenerated Human Intervertebral Discs"Spine. 26. 2666-2672 (2001)
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[Publications] Nakase, T., et al.: "Distribution of genes for parathyroid hormone-related peptide, indian hedgehog, PTH receptor and patched in the process of experimental spondylosis in mice"J Neurosurg. (In press).
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[Publications] Nakase, T., et al.: "Activation of cartilage-derived morphogenetic protein-1 in torn rotator cuff"Clin Orthop. (In press).