2002 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜型複合マトリックスを用いた人工培養骨軟骨複合体の開発
Project/Area Number |
13470315
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 秀男 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船山 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10317167)
須田 康文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20196900)
大谷 俊郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00160531)
田口 哲志 物質・材料研究機構, 生体材料グループ, 研究員
田中 順三 物質・材料研究機構, 生体材料グループ, センター長(研究職)
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Keywords | 骨髄未分化間葉系幹細胞 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / tyoe II collagen gel / 交互浸漬 / 石灰化 / カルシウム至適濃度 / 軟骨再生 |
Research Abstract |
骨髄未分化間葉系幹細胞(MSCs>を継代培養し、TGFβ3等により軟骨細胞に、一方でデキサメサゾン等により骨芽細胞に分化させ、RT-PCR法でそのphenotypeをすでに確認した。 これらの細胞を用いる前の基礎実験として、骨芽細胞および軟骨細胞において、鋳型内でのviabilityを検討した。 まず胎生1日齢の、Std-ddyマウスの頭蓋骨を摘出し、酵素処理を行い、骨芽細胞を抽出・増殖させ、RT-PCRで形質を確認した。さらにこの細胞をII型コラーゲンゲル内に包埋し、ヌードマウスの移植実験(皮下)で、鋳型の交互浸漬の有用性を検討した。同時に、交互浸漬の際の適正カルシウムおよびリン酸濃度を決定し、その際の骨芽細胞のviabilityについても検討した。カルシウムの毒性の影響、一方でカルシウムの増殖促進効果の検討を行った。 ・骨の再生について マウスの皮下への移植実験においては、交互浸漬を行ったゲルのみ高度な石灰化が見られ、またその速さはカルシウム濃度が高いほど早かった。viabilityに関しては、カルシウム、リンには至適濃度があり、あまり高濃度の交互浸漬が逆に骨芽細胞のアポトーシスを誘導することを証明した。また至適濃度の範囲内であれば、細胞のviabilityは落ちないことを証明した。 ・軟骨の再生について 白色家兎の骨髄間葉系幹細胞および軟骨細胞を採取し、交互浸漬を行わないII型コラーゲンゲルに包埋し、家兎の軟骨欠損モデルへ移植する実験を行った。移植後、4ヵ月まで経過を追跡したが、間葉系幹細胞よりも、それを軟骨細胞に分化させて移植する方が軟骨再生は良好であることを証明できた。
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