2003 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜型複合マトリックスを用いた人工培養骨軟骨複合体の開発
Project/Area Number |
13470315
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 秀男 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50138038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 哲志 物質・材料研究機構, 生体材料グループ, 研究員 (70354264)
須田 康文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20196900)
大谷 俊郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00160531)
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Keywords | 骨軟骨複合体 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / Type II collagen gel / 交互浸漬 / 石灰化 / カルシウム至適濃度 / 軟骨再生 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、type IIコラーゲンゲルを用いた骨軟骨複合体を作るために、今年度は、軟骨では、まずウサギの膝蓋大腿関節への移植手技をより詳細に確立した。まず移植方法であるが、ウサギの膝蓋大腿関節に径5mmの軟骨欠損モデルを作成した後、ゲルに固めてから吸収性ピンを用いて固定する方法、欠損モデルの形を模ったゲルを作成し、フィットさせる方法、また10分ほどで硬くなる性質を利用して、骨膜のパッチを用いて注射で注入して固める方法等試した。それぞれ成績に明らかな差異は認められなかったが、手技として臨床に応用でき容易な注入による方法が優れていると思われた。また、今年度は組織学的評価の他に、免疫学的評価も行い、その長期成績も追究した。 一方骨再生の分野では、昨年度交互浸漬の手技を確立したが、残念なことに、この手技によるカルシウム(Ca)、リン(P)の細胞に対する負荷が細胞の生存能に好影響を与えない事が判明し、今年度は詳細に、特にそのCa濃度の骨芽細胞に対する影響を、2次元培養と3次元培養の両方で、検討した。骨芽細胞はCa2-6mMという低濃度に対して暴露に対する生存能がよいことをまず判明し、同濃度付近で増殖も促進されることを確認した。ただしゲルによる培養ではCa20mMという濃い条件下でも、増殖した。一方分化はCa6-8mMという増殖よりやや高濃度で促進され、石灰化能は、細胞の生存能と溶解度積の問題も絡み、Ca10mM付近で最大となった。ただしゲルによる培養では特に細胞の関与しない石灰化も大きいことが判明した。来年度も引き続き骨軟骨を合体させる試みを試していきたい。
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