2002 Fiscal Year Annual Research Report
下部尿路通過障害における膀胱α-1アドレナリン受容体サブタイプの役割
Project/Area Number |
13470331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 信隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (50160510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠浦 ひとみ 国立小児病院, 小児医療研究センター, 共同研究員
辻本 豪三 国立小児病院, 小児医療研究センター, 部長(研究職)
冨田 京一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20272578)
有賀 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90322057)
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Keywords | 膀胱α-1アドレナリン受容体 / 下部尿路通過障害 / α1D-KOマウス |
Research Abstract |
1.【研究目的】ラットでは、尿道部分閉塞(BOO)により処置数週間後に膀胱重量が顕著に増加することが知られている。今回、この膀胱重量増加にα1D受容体が関与しているかどうか調べるための評価系として、α1D-KOマウスおよびそのWild typeマウスを用いて尿道部分閉塞(BOO)モデルの検討を行った。 2.【研究方法】雌性のα1D-KOマウスおよぴそのWild typeマウスを入手し、尿道部分閉塞を作成し膀胱重量の測定、膀胱内圧測定を行なった。また期間をあけて試験を2回行い、再現性も調べた。 3.【結果および考察】無処置のWild typeマウスおよびα1D-KOマウスの膀胱重量は、それぞれ19.7mgと19.8mgであった。尿道部分閉塞処置群では処置後1週間の間に、それぞれ4匹ずつ死亡した。尿道結紮が強すぎたために排尿困難となって死亡したと考えられた。Wild typeマウスおよぴα1D-KOマウスの1週間後の摘出した膀胱重量は、それぞれ30.1mgと27.4mgであった。Wild typeマウスでは、処置1週間後に、無処置群群に比して1.5倍の膀胱重量増加が認められた。α1D-KOマウスは1匹(No.4)を除くと、対照群の膀胱重量と同程度であった。2回目の試験では1週間後の摘出した膀胱重量は、それぞれ22.8mgと36.3mgであった。今回、Wild typeマウスで、処置1週間後に、膀胱重量増加が認められなかったため、試験1の再現性が確認できなかった。今回の検討では、BOO処置を行なったWild typeマウスとα1D-KOマウスを比較し、下部尿路通過障害のα-1Dレセプターに及ぼす影響を検討する予定であったが、試験1と試験2において再現性のある結果を得ることができなかった。今後、BOO処置条件について更に検討を加える必要があると考えられる。
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