2001 Fiscal Year Annual Research Report
橋排尿中枢における尿意伝達様式と排尿障害治療薬の中枢性作用を解明する研究
Project/Area Number |
13470340
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90240952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 陽一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10243031)
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10243239)
小山 純正 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (80183812)
浮村 理 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70275220)
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Keywords | 排尿中枢 / 橋 / 電気生理学 / 排尿障害治療薬 |
Research Abstract |
橋排尿中枢における尿意伝達様式を検討するために、S-Dラットを用いて電気生理学的検討を行った。まず、小脳上方より脳内に刺入した電極を用いて背側橋部を刺激し、膀胱内圧と外尿道括約筋筋電図を同時に測定することにより、外尿道括約筋収縮をおこす中枢と考えられる部位を新たに発見した。その部位は膀胱を収縮させる橋排尿中枢(Barrington's核)とは橋の中心灰白質の腹側で前後に並び別々に存在していた。 次に脳幹での排尿調節機構を検討するために、S-Dラットの膀胱にカニューレを挿入し、膀胱が自律収縮を起こすまで生理食塩水を注入し、脳幹部にガラス管電極を刺入、膀胱収縮と同期して発火するニューロンを記録した。その結果、膀胱の収縮前に発火するニューロンと膀胱の収縮と一致して発火するニューロンが存在し、前者は記録され、後者は主にBarrington's核とその近傍から記録された。またBarrington's核の周辺の比較的広い範囲からは膀胱弛緩時に発火するニューロンも記録された。 排尿障害治療薬の中枢効果を検討するため、膀胱収縮前に発火するニューロン、膀胱収縮と一致して発火するニューロンの記録中に抗コリン剤(オキシブチニン)、抗うつ剤(クロミプラミン)を頸静脈より投与し、ニューロンの発火に及ぼす影響を検討した。抗コリン剤で膀胱収縮が抑制されるとニューロンの発火は増加、抗うつ剤で膀胱収縮が抑制されると発火は減少した。この結果より、抗コリン剤、抗うつ剤は末梢では同じ効果を示すが、上位中枢では逆の効果を示していることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamao Y.: "Discrete regions in the laterodorsal tegmental area of the rat regulating the urinary bladder and external urethral sphincter"Brain Research. 912. 162-170 (2001)
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[Publications] Tanaka Y.: "Effects of the acupuncture to the sacral segment on the bladder activity and EEG"Psychiatry and Clinical Neurosciences. (in press). (2002)