2001 Fiscal Year Annual Research Report
卵子成熟のためのFSH受容体遺伝子導入顆粒膜細胞を用いた遺伝子治療の基盤的研究
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13470346
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 憲一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10126427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八幡 哲郎 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (90293232)
藤田 和之 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219005)
高桑 好一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80187939)
菅谷 進 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20293227)
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Keywords | 遺伝子導入 / 卵成熟 / 顆粒膜細膜 / FSH受容体 |
Research Abstract |
1、ラット顆粒膜細胞を用いたin vitro培養およびFSH受容体遺伝子導入実験 未熟雌ラットをdiethylstilbesrol(DES)で刺激した後、卵巣を無菌的に摘出、26G針にて卵胞を穿刺し、顆粒膜細胞を採取し培養した。FSH受容体数を125I-FSHを用いたbinding assay法により測定した。また顆粒膜細胞の機能の指標としてFSH刺激によるE2産生能を測定した。一方、ヒトFSHR遺伝子をアデノウイルスに組み込んだ組換えアデノウイルス(Ad-FSHR)を作成、培養1日目にMOI 10にて顆粒膜細胞に導入し、同様にFSH受容体数、E2産生能を測定した。FSH受容体数は培養0日目は6071±719/cellであり、FSH刺激によりE2が2865pg/ml産生された。3日目のFSH受容体数は2390±/cell、E2産生量も382pg/mlと減少し、7日目ではFSH受容体はほとんど消失し、E2産生量も測定感度以下となった。一方、Ad-FSH受容体導入顆粒膜細胞では、3日目では受容体数が6752±76/cell、E2産生は1310pg/mlと未導入細胞と比較して有意に増加、培養7日目においてもFSH受容体数が1851±385/cellと発現しており、E2も365pg/mlと産生されていた。 2、FSH受容体遺伝子導入顆粒膜細胞のin vivoラット卵子成熟に対する効果の検討 DESで刺激した幼若雌ラットより採取した卵子をAd-FSHR遺伝子導入顆粒膜細胞と共培養しその成熟を検討した。培養開始後36時間でMetaphaseIIまで進み第一極体の放出が認められる頻度は共培養なし群で31.6%,遺伝子導入なしの顆粒膜細胞との共培養群で38.2%、遺伝子導入顆粒膜細胞との共培養では62.1%とより多くの卵子の成熟が観察できた。 本実験の結果FSH受容体遺伝子導入により、in vitroの培養の環境でも顆粒膜細胞の機能を保持できること、さらに遺伝子導入顆粒膜細胞との共培養により卵子の成熟を促進できることが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 菅谷 進: "体外受精・胚移植における子宮動脈血流改善を目的とした低用量アスピリン投与の有用性に関する検討"日本不妊学会雑誌. 46・3. 17-23 (2001)
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[Publications] 田村 希: "排卵誘発併用の子宮内人工授精の各周期面の予後因子の解析"産科と婦人科. 68・10. 1334-1338 (2001)
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[Publications] 高桑 好一: "不妊症と感染症の現況-不妊治療とウイルス感染症"化学療法の領域. 17・6. 90-94 (2001)