2001 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性鼻炎に対するIgE・ケモカイン産生を抑制する遺伝子治療の確立
Project/Area Number |
13470359
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
藤枝 重治 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 千鶴 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80283183)
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Keywords | IgE / RANTES / 線維芽細胞 / アレルギー性鼻炎 / Syk / TRAF6 / 遺伝子治療 / アレルギー炎症 |
Research Abstract |
IgEとRANTES/Eotaxinなどの強い好酸球遊走活性を有するケモカインは、アレルギー性鼻炎の発症機序において双壁的役割を担っている。本年は、アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜や鼻茸より線維芽細胞を樹立し、ケモカイン産生に及ぼす影響を検討した。 sykは非受容体型チロシンキナーゼであるが、我々は血球系の細胞以外の鼻線維芽細胞にも存在することを見つけた。そして、鼻線維芽細胞内のsyk発現量とLPSにて刺激した際のRANTES産生が正比例関係であることを見いだした。sykに対するアンチセンス処理でRANTES産生は低下し、非活性型変異体発現ベクターを導入してもRANTES産生が起こらなかった。一方、野生型syk発現ベクターを導入すると有意にRANTES産生が誘導された。 RANTES産生は、IL-1βとTNFαのいずれの刺激でも起こるが、syk発現との関連を検討した。その結果sykは、IL-1βリセプターに結合するTRAF6にassociateし、IL-1βの刺激はLPS刺激同様アンチセンス処理でRANTES産生抑制、野生型syk発現ベクター導入で冗進を認め、免疫沈降においてもsykとTRAF6の関連を証明できた。しかし、TNFαの刺激はsyk発現と関連を認めなかった。つまり、syKはTRAF6との間でシグナルのやりとりを行うが、TRAF2との間では行わないことがわかった。 線維芽細胞は、好酸球が持つCCR3も細胞膜上に発現していることを見つけ、そのリガンド山であるRANTESの刺激によって、細胞増殖が促進することがわかった。この現象は、アレルギー性鼻炎患者からの線維芽細胞のみの特徴であった。さらにRANTESの刺激によって、好中球遊走因子であるIL-8の産生も冗進することがわかり、オートクラインによるアレルギー炎症の複雑さを示唆した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamada T, Fujieda S, et al.: "Protein-tyrosine Syk expressed in human nasal fibroblasts"J.Immunol.. 166. 538-543 (2001)
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[Publications] Yamada T, Fujieda S, et al.: "IL-1 induced chemokine producion through the association"J.Immunol.. 167. 283-288 (2001)