2001 Fiscal Year Annual Research Report
網膜におけるカベオリンとジストロフィン複合体のグルタメイト調節機構への作用の検討
Project/Area Number |
13470363
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
植田 秀穂 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10242629)
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Keywords | カベオリン / シストロフィン / グルタミンシンセテース / グルタメイトトランスポーター / ミューラー細胞 / 網膜 |
Research Abstract |
今年度までの研究で、次のようなことを明らかにした。 (1)カペオリンー1は角膜内皮細胞、虹彩や毛様体、網膜における血管、シュレム管などの眼房水の動態にに関わる部位に局在する。すなわちカベオリンー1は物質の輸送に関与している可能性が示唆された。 (2)網膜においてカペオリンー1は、グルタメイトトランスポー夕ーの一つであるGLAST、およびグルタミンシンセテースと同局在を示し、網膜のダリアであるミューラー細胞に発現することを明らかにした。 (3)培養ミューラー細胞においてカベオリンのどのタイプが発現するのかを、蛍光免疫染色およびインムノブロットで検索したところ、カペオリンー1およびカベオリンー2が発現することを確認したが、カベオリンー3は認められなかった。またカベオリンー1とカペオリンー2は異なる部位に局在することが分かり、両蛋白の機能の違いが推察された。 (4)培養ミューラー細胞においてカベオリンー1はGLASTと同局在を示し、両蛋白の機能上の関連を伺わせた。一方カペオリンー1はグルタミンシンセテースとは明確な同性を示さなかった。 (5)しかしながらカペオリンー1で免疫沈降し、GLASTおよびグルタミンシンセテースでインムノブロットを行ったところ、カペオリンー1とGLASTの結合は認められず、グルタミンシンセテースとの結合が認められた。このような免疫染色とパラドキシカルな結果については、更なる確認実験が必要と思われる。 ミューラー細胞の重要な機能であるシナプスから放出されるグルタメイトの処理と網膜血液関門の機能的維持、という観点から今後の研究を進める予定である。
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