2002 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いた遺伝性角膜疾患に対する根治的遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
13470367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 幸二 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40244610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
渡辺 仁 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60252673)
山本 修士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80294065)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 培養角膜上皮シート / 斑状角膜ジストロフィ / トランスジェニックマウス / eGFP / 遺伝子導入 / CHST6 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
遺伝性角膜疾患に対する根治的遺伝子治療の開発のため、以下の研究を実施した。遺伝子導入を併用したヒト角膜上皮シートを作成した。まず、培養角膜上皮シートを作成する技術の確立のため、正常な角膜上皮幹細胞をヒト角膜輪部(移植に使用したUSAアイバンクアイの残り)より単離し、温度応答性の培養皿に播種した。2週間培養後に、低温度処理することにより、培養角膜上皮シートの回収に成功した。つぎにレンチウイルスベクターによりeGEP遺伝子導入を行なった後、培養角膜上皮シートを作成した。MOI=1,10,100で行った結果、ウイルスタイターが増すごとに導入効率が増加し、MOI=100では培養角膜上皮シートを構成するほぼ全細胞にeGFPの発現がみられた。この結果、遺伝子導入を併用したヒト角膜上皮シートの作成に成功した。また、遺伝子治療研究には動物モデルが必要である。今回、遺伝性角膜疾患の1つである斑状角膜ジストロフィの動物モデル作成のため、その原因遺伝子CHST6のノックアウトマウスを作成した。これまでの解析の結果、電子顕微鏡レベルで角膜実質のコラーゲンの構築に異常が生じていることがわかった。この動物モデルを用いて、レンチウイルスベクターによる遺伝性角膜疾患に対する根治的遺伝子治療の開発を行うことが可能となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakamura T, Nishida K, et al.: "Changes in conjunctival clusterin expression in severe ocular surface disease"Invest Ophthalmol Vis Sci. 47・1. 1702-1707 (2002)
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[Publications] Kinoshita S, Nakamura T, Nishida K: "Pathological keratinization of ocular surface epithelium"Adv Exp Med Biol. 506. 641-646 (2002)
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[Publications] 西田 幸二: "組織工学による角膜再生治療と遺伝子治療"眼紀. 53. 1000-1003 (2002)
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[Publications] 西田 幸二: "遺伝子診断と分子機構(角膜疾患)"眼科. 44. 183-293 (2002)