2001 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障における網膜神経節細胞死の抑制と網膜神経分化の分子生物学的・遺伝学的研究
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13470368
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三嶋 弘 広島大学, 医学部, 教授 (20034100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 康志 広島大学, 医学部・付属病院, 助手 (80294578)
皆本 敦 広島大学, 医学部, 助教授 (10253072)
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Keywords | 緑内障 / 網膜神経節細胞 / 神経節細胞死 / NOS / グルタミン酸受容体 / 網膜分化 / ODAG |
Research Abstract |
1.グルタミン酸刺激下における網膜神経節細胞の一酸化窒素(NO)合成能 緑内障における網膜神経節細胞死の誘因の一つに、グルタミン酸刺激が考えられている。単離培養したラット網膜神経節細胞(RGC)を用いて、免疫化学染色を行ったところ、ラットRGCに一酸化窒素合成酵素(NOS)が発現していることが確認された。培養RGCよるNO合成は、グルタミン酸刺激によって促進し、一方NOS阻害剤によって阻害された。特に、NOSのサブタイプの一つであるnNOSの特異的阻害剤による、NO合成抑制効果が顕著であった。 2.グルタミン酸誘発網膜神経節細胞死に関する電気生理学的検討 培養RGCには、グルタミン酸受容体の3糖類のサプタイプ(NMDA受容体、AMPA受容体、カイニン酸受容体)が発現・機能している事をパッチクランプ法を用いて確認した。神経ステロイドである20-HEは、主にNMDA受容体を抑制したことから、グルタミン酸による神経細胞毒性を抑制するものと考えられた. 3.網膜分化を誘導する新規遺伝子ODAGのクローニングと機能解析 生後2日および10日におけるマウス眼球内の様々な遺伝子の発現パターンをDNAマイクロアレイを用いて調べ、その中から生後2日目には高い発現があるものの10日目には発現がほぼ消失する新規遺伝子ODAGをクローニングした. マウスODAGは266アミノ酸から構成されていた。データベースの検索から、ODAGはヒトにおいても保存されていることが分かった。またin situ hybridizationにより、生後2日および7日のマウスでは、ODAGは網膜に強く発現する他に、眼球内の様々な組織で発現していることが確認された。一方、生後14日のマウス眼球内では発現が全くみられなかった。これらの発現パターンから、ODAGは眼球の発育に関与する遺伝子と考えられた。
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Research Products
(1 results)