2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症発症機序における白血球の病態意義解明と発症予防に関する実験的研究
Project/Area Number |
13470371
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 一之 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40305537)
木村 英也 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (50252440)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 網膜微小循環 / 白血球 / アクリジンオレンジ |
Research Abstract |
糖尿病ラットの網膜微小循環において、抗酸化作用を持つ血糖降下剤、グリクラジドの白血球集積に対する効果をin vivoで検討した。また、近年細胞接着分子発現抑制作用などの報告があるインスリン抵抗性改善薬、塩酸ピオグリタゾンの糖尿病ラットにおける網膜微小循環での白血球集積抑制効果も検討した。 【方法】:実験(1):無治療のものをA群、グリクラジドを経口投与(4、7週間投与)したものをB群、グリベンクラミドを同様に投与したものをC群とした。実験(2):無治療のものをA群、塩酸ピオグリタゾンを4週間経口投与したものをB群とした。各群のラットに、アクリジンオレンジデジタルフルオログラフイーを施行し、網膜微小循環における白血球集積を解析した。 【結果】実験(1):STZ投与したラットは3群とも高血糖を呈したが、3群間では血糖値に差がなかった。網膜内白血球集積数は、A群ではコントロール群に比べ有意に増加した。A群と比較するとB群は有意に減少したが、C群では有意な差は見られなかった。4週時の結果に比べ7週時ではグリクラジド投与群とグリベンクラミド投与群での白血球集積数の差はより増大していた。実験(2):A、B群とも高血糖を呈したが、血糖値に有意差は認められなかった。網膜内白血球集積数は、B群はA群と比べ有意に減少していた。 【結論】グリクラジドおよび塩酸ピオグリタゾンにより糖尿病初期における網膜微小循環の白血球集積が血糖非依存性に抑制された。グリクラジドによる白血球集積の抑制効果は4週よりも7週で強く認められた。グリクラジドはその抗酸化作用が白血球粘着を抑制した可能性が示唆された。グリクラジドおよび塩酸ピオグリタゾンは糖尿病初期における糖尿病網膜症の発症・進展を抑制する可能性がある。
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Research Products
(1 results)