2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症発症機序における白血球の病態意義解明と発症予防に関する実験的研究
Project/Area Number |
13470371
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 明久 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80336685)
木村 英也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50252440)
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Keywords | 網膜微小循環 / 白血球 / アクリジンオレンジ / 糖尿病網膜症 |
Research Abstract |
糖尿病ラットでは発症早期より網膜微小循環における白血球集積が亢進することが知られている。我々はストレプトゾトシン(STZ)を用いて作成した糖尿病ラットの網膜微小循環における、抗酸化作用を持つ血糖降下剤、グリクラジドの白血球集積抑制効果をin vivoで検討した。また、用量依存に関しても検討した。 【対象と方法】雄有色ラッ不(Brown-Norway)にSTZ(60mg/kg)を尾静脈から注入し糖尿病ラットを作成した。無治療のものをA群、グリクラジドを4週間経口投与したものをB群とした。B群を3群に分け、B-1群には0.01%、B-2群には0.1%、B-3群には1%のグリクラジドを飼料に混入した。非糖尿病ラットをコントロールとした。各群にアクリジンオレンジデジタルフォトグラフィーを行い、網膜微小循環における白血球集積を解析した。 【結果】STZ投与したラットは全群でコントロールに比べ高血糖を呈し、各群間では血糖値に差がなかった。網膜内白血球集積数は、コントロールに比べA群、B-1群、B-2群、B-3群では全群とも有意に増加した。A群と比較すると、B-1群では有意差がみられなかったが、B-2群及びB-3群では有意に減少した。B-3群ではB-2群に比べ減少した。 【結論】グリクラジドにより糖尿病初期における網膜微小循環の白血球集積が血糖非依存性に抑制され、その抑制効果は用量依存性にみとめられた。グリクラジドはその抗酸化作用により白血球粘着を抑制した可能性が示唆され、糖尿病初期における糖尿病網膜症の発症・進展を抑制する可能性がある。
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[Publications] Nonaka A: "Inflammatory response after scatter laser photocoagulation in nonphotocagulated retina"Invest Ophthalmol Vis Sci. 43. 1204-1209 (2002)
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[Publications] Nishijima K: "Inhibitory effects of antithrombin III on interactions between blood cells and endothelial cells during retinal ischemia-reperfusion injury"Invest Ophthalmol Vis Sci. 44. 332-341 (2003)
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[Publications] Yamashiro K: "Suppressive effects of selectin inhibitor SKK-60060 on the leukocyte infiltration during endotoxin-induced uveitis"Br J Ophthalmol. 87. 476-480 (2003)