2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470374
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大井 龍司 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50004734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 公伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50187142)
仁尾 正記 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70228138)
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 遺伝子発現解析 / cDNAアレイ / 胆管細胞 / 細胞間接着 / 初代培養 |
Research Abstract |
胆道閉鎖症肝組織の病理組織学的検討、肝内胆管病変への細胞間接着の関与や胆管成熟度に関する免疫組織学的検討と並行して、我々は胆道閉鎖症の病因や病態の進展に関わる特異的な遺伝子発現プロファイルを解明することを目的として、胆道閉鎖症の肝組織における遺伝子の発現状態のcDNAアレイを用いた解析に着手した。 4,881の遺伝子についてその発現を測定し対照との比較解析を行い、接着分子、免疫、サイトカイン、細胞骨格、細胞外マトリックス、イオンチャネル、転写因子、ストレス反応蛋白、細胞回転、アポトーシスなどに関連した計203の遺伝子に本症に特異的な発現の変化(増強178、低下25)を認めた。各遺伝子の生体における役割はきわめて多彩であり、多くの遺伝子は病因から二次的に派生して引き起こされる本症に特有な一連の病態に対応していることが考えられるが、これらの中には本症の病因に密接に関与する遺伝子が含まれている可能性があり本症の病因解明の大きな手がかりとなることが期待される結果であった。 この成果を昨年12月にアトランタで開催されたアメリカ肝臓病学会(AASLD)の胆道閉鎖症に関するSingle Topic Conferenceで発表し、多くの研究者の関心を集めると共に、学会よりのTravel grantを受賞した。またこの際にBirminghamのQueen Elizabeth HospitalやCincinnatiのChildren's Hospital Medical Centerの研究者との議論のなかでこれらの施設との研究協力を行い、われわれの研究成果を肝組織からの胆管細胞の分離や遺伝子解析などの胆道閉鎖症の病因解析に関する共同研究に発展させる計画が提案された。
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