2001 Fiscal Year Annual Research Report
小児外科疾患に対する組織工学による自己組織再生型バイオ臓器の開発研究
Project/Area Number |
13470376
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金子 道夫 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60152807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛田 多加志 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (50323522)
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
小室 広昭 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80296128)
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Keywords | 小児外科 / 組織工学 / 再生 / 食道 / 膀胱 / コラーゲン / PLGA / Scaffold |
Research Abstract |
本年度は以下の実験を行った。 1.食道筋層の再生:食道閉鎖症のlong gap症例の手術で用いられる筋層環状切開による食道延長術(Livaditis法)によって生ずる粘膜部分のBallooningの問題を解決するために、この粘膜のみとなった部分に食道の筋層を再生させる目的で、子ブタを用いた体内での再生実験を行った。子ブタの頚部、胸部食道に筋層欠損部を作成し、足場として自己組織再生用に研究分担者中村らの開発したコラーゲンスポンジを縫着して2ケ月間観察した。コラーゲンの縫着部に筋細胞の再生は見られなかったものの、自己組織である結合組織ができ、Ballooningの防止効果が認められた。 2.自己細胞による膀胱壁の体外での構築:膀胱拡大術などへの臨床応用を目指して、自己細胞による体外での膀胱壁構築を試みた。ブタの膀胱壁組織を上皮と筋層に分け、それぞれを別々にdish上で培養し、増殖させたのち、研究分担者牛田らのグループが開発したPLGAとコラーゲンからなる生体吸収性Scaffold上で培養することによって膀胱壁を体外で立体的に構築する試みを行った。上皮、平滑筋ともにDish上で培養され、免疫組織学的にも上皮と平滑筋であることが確認された。上皮はScaffold上での培養に成功したが、平滑筋細胞のScaffold上での培養はさらなる工夫が必要と考えられた。今後、両者のScaffold上での混合培養をめざし、体外で膀胱壁を作成し、さらには体内へ埋め込む実験を予定している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 金子道夫: "治療に難渋した食道閉鎖症に全胃つり上げを施行し治癒させた2例"日本小児外科学会雑誌. 印刷中.
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[Publications] 小室広昭: "再生医学による食道筋層再生への試み"日本小児外科学会雑誌. 37. 569 (2001)
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[Publications] Hiroaki Komuro: "Expression of angiogenic factors and tumer progression in human neuvoblastoma"Journal of Cancer Research and Clinical Oncology. 127. 739-743 (2001)