2001 Fiscal Year Annual Research Report
チタン-口腔上皮界面でのヘミデスモゾーム/基底膜の構成タンパクの発現と産生
Project/Area Number |
13470385
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 助手 (80304814)
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (60253457)
後藤 哲哉 九州歯学大学, 歯学部, 助教授 (70253458)
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Keywords | インプラント / チタン / ラミニン5 / 免疫細胞化学 / 歯肉 / 接合上皮 / ラット / 細胞培養 |
Research Abstract |
歯牙欠損治療の選択肢の一つである歯科インプラントは口腔粘膜を貫通し、口腔内に露出しているため、その貫通部位が感染経路となり結果的にインプラント周囲炎を引き起こし、重篤な結果を招くことがある。インプラント体と骨との結合の重要性と共に、口腔歯肉上皮組織との接着によるインプラント周囲の封鎖がインプラント治療の成功に重要な役割を果たしている。にもかかわらず、口腔上皮細胞とインプラント体との生物学的関係はいまだ不明の点が多い。そこで、我々はラット口腔上皮細胞と純チタンとの関係を知るため、初代培養を行い、培養口腔上皮細胞のチタン上、培養ディッシュ上、ガラス上での接着、伸展、増殖などの動態を調べた。初期接着細胞数はチタン上において培養ディッシュ上よりも有意に少なく、細胞面積は培養開始24時間後においてのみ、チタンまたはガラス上が培養ディッシュ上よりも小さかった。コロニー形成は培養デイッシュ上やガラス上では48時間後にピークに達したのに対して、チタン上では12時間から120時間にかけて徐々に増加した。細胞増殖率についても、培養ディッシュ上やガラス上では48時間後にピークを迎えたのに対して、チタン上では72時間後であった。以上のことから、口腔上皮細胞は、チタン上では培養ディッシュ上に較べて接着性に乏しく、また増殖時期も遅延することが明らかとなった。さらに、上皮細胞の接着や、移動に重要な役割を果たすことが知られているラミニン5の免疫細胞化学を行った。すると、すべての培養口腔上皮細胞に局在が見られ、興味深いことに、コロニー形成していない単独の細胞では細胞周囲の培養基質にラミニン5の沈着が見られた。現在さらに、チタン上における上皮細胞の接着についての他の種々のタンパクの局在様式の差について、免疫細胞化学的手法を用いて精査しているところである。
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Research Products
(1 results)