2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウス臼歯歯胚が歯冠形成から歯根形成に移行する分子機構の解明
Project/Area Number |
13470387
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 英光 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 邦昭 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10112559)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子-10 / 歯根形成 / ヘルトビッヒ上皮鞘 / 切歯 / 臼歯 / マウス / Apical Bud |
Research Abstract |
マウスの切歯の発生において唇側のエナメル上皮は下顎長軸方向に成長し,その上皮端においてApical Bud(現在この用語については提唱中である)を形成する.線維芽細胞増殖因子(FGF)-10の欠損マウスの解析から、FGF-10が欠損するとApical Budが形成されない。Apical Budは切歯が継続的に成長するための組織型上皮幹細胞が存在する部位である。中和抗体や上皮-間葉の組み替え実験によってこの上皮幹細胞の維持にFGF-10が重要な働きをしていることを示した。さらにFGF-10を発現する間葉細胞もまたApical Budから分泌されるシグナル分子によって同時に維持されていた.すなわち,切歯の幹細胞の維持にも歯胚の形態形成と同様に上皮-間葉の相互作用が働いていることが理解できる.また、voleマウスの場合、臼歯も切歯同様に成長しつづけるが、臼歯の形成端にもapical bud様の組織が存在する。このエナメル上皮周囲の間葉細胞にもFGF-10が発現し続けている。これらの結果から、歯周組織を含めた歯根形成には,FGF-10の発現が消失して,マウス切歯歯胚やvoleの臼歯歯胚のように幹細胞の集団が形成維持されないことが必要条件であると考えられる.発生過程から考えた場合,上皮細胞の増殖と誘導が歯周組織の形成に必要であるが、ある発生段階からは逆に必要のない細胞が消失していくことも重要であると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hidemitsu Harada: "FGF1O maintains stem cell compartment in developing mouse incisor"Development. 129. 1533-1541 (2002)
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[Publications] Hidemitsu Harada: "FGF1O maintain stem cell population during mouse incisor development"Connective Tissue Research. 43. 201-204 (2002)
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[Publications] Shintaro Kawano: "Establishment of dental epithelial cell line (HAT-7) and the cell-differentiation depend on Notch signaling pathway"Connective Tissue Research. 43. 409-412 (2002)
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[Publications] Hidemitsu Harada: "Epithelial stem cells in teeth"Odontology. 90(1). 1-6 (2002)
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[Publications] 原田 英光: "歯の再生"再生医学・再生医療 現代化学増刊. 増刊41. 175-177 (2002)
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[Publications] 原田 英光: "エナメル上皮幹細胞と再生医学"骨形成・骨吸収の分子メカニズムと骨疾患(実験医学). (増刊). 2575-2580 (2002)
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[Publications] 原田 英光: "歯周組織および顎骨の再生誘導のメカニズムの解明と組織再生療法の開発"岩手医科大学先進 医療研究センター 河北出版. 39 (2002)