2002 Fiscal Year Annual Research Report
ドパミントランスポーターの調節機構と神経疾患における役割-特にアラキドン酸による調節-
Project/Area Number |
13470392
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
土肥 敏博 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00034182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 道夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034094)
森田 克也 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10116684)
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Keywords | アラキドン酸 / モノアミントランスポーター / MPP+ / インドメタシン / アスピリン / ドパミン / L-DOPA / デシプラミン |
Research Abstract |
ドパミントランスポーター発現モデルを用いて細胞障害発現機構ならびに神経活性調節機構について検討し、以下の結果を得た。 1.ラットドパミントランスポーター(cDNA)を発現させたCOS細胞(COS/DAT)およびPC12細胞においてMPP^+の暴露により細胞死を引き起こした。 2.PC12細胞においてMPP^+による細胞死はレセルピンにより増強されたが、α-methyl-p-tyrosineは影響を及ぼさなかった。 3.インドメタシンおよびイブプロフェンによりMPP^+による細胞死は増強された。アスピリンおよびCOX-2特異的阻害薬NS-398は影響を及ぼさなかった。 4.PPARγリガンドは高濃度で細胞死を引き起こした。PPARγ拮抗薬はMPP^+による細胞死を抑制した。 5.アラキゾン酸は高濃度でMPP^+の取り込みを抑制する傾向にあった。 6.L-DOPAはCOS/DATにおいてドパミン(DA)取り込み促進作用を示した。SK-N-SHおよびPC12細胞においては,L-DOPAはDA取り込みに対し,低濃度で促進,高濃度で抑制作用を示し,ラット線状体シナプトゾームでは抑制作用を示した。 7.COS/DATにおいてはL-DOPAは細胞外から最大取り込みを促進し,シナプトゾームにおいてはL-DOPAは細胞内に入りDAに変換されて抑制作用を示した。 8.モノアミントランスポーター阻害作用のある合成局所麻酔薬の連続投与はコカイン同様痙攣の感作を引き起こした。デシプラミン他ノルエピネフリントランスポーター阻害薬の連続投与はリドカイン痙攣の発現率を高め,痙攣閾値を低下させた。一方,このような処置は,コカイン痙攣発現を抑制し,痙攣閾値を低下させた。特異的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)の前処置はリドカイン痙攣を強く増強した。SSRIの慢性投与および特異的ドパミン取り込み阻害薬の慢性投与はリドカイン痙攣発現に大きな影響を及ぼさなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Arai, K.Morita, S.Kitayama, K.Kumagai, M.kumagai, K.Kihira, T.Dohi: "Chronic inhibition of the norepinephrine transporter in the brain participates in seizure sensitization to cocaine and local anesthetics"Brain Research. 964. 83-90 (2003)
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[Publications] T.Dohi, S.Kitayama, K.Morita, T.Sato, S.Arai, K.Kumagai, W.Hashimoto, K.Kihira: "Inhibition of monoamine neurotransmitter transporters and central nervous system stimulation induced by synthetic local anesthetics and cocaine : A comparative Review"Curr. Med. Chem.-Central Nervous System Agents. 2. 295-315 (2002)
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[Publications] 土肥敏博, 北山滋雄, 熊谷 圭, 橋本 亘, 森田克也: "モノアミントランスポーターの薬理学"日薬理誌. 120. 315-326 (2002)
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[Publications] 北山滋雄, 士肥敏博: "ドーパミントランスポーター:中枢神経疾患・薬物中毒に係わるその分子機構"脳21. 5. 73-79 (2002)