2001 Fiscal Year Annual Research Report
NOによって活性化されるMAPキナーゼ系の癌化機構への関与
Project/Area Number |
13470400
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
武田 弘資 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10313230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 秀憲 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00242206)
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Keywords | 一酸化窒素(NO) / シグナル伝達 / MAPキナーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は、NOによって活性化されるMAPキナーゼ系の癌化機構への関与について、おもにアポトーシスを指標とした実験系において探っていくことを目的としている。われわれは、哺乳類で知られている3つのMAPキナーゼ経路のうち、JNKならびにp38という2つの経路が各種NO発生剤により強く活性化されることを確認し、これらの経路がNOの生理作用や細胞傷害作用の重要な媒介経路であると考えている。そこでまず、これらの経路の関与を明らかにするため、それぞれの経路を特異的に遮断できるいわゆるドミナントネガティブ型変異体分子の作製を行った。 JNKはMKK4ならびにMKK7によって、p38はMKK3ならびにMKK6によってそれぞれ活性化されることから、これらのキナーゼのドミナントネガティブ型変異体を作製し、アデノウイルスベクターに組み込んだ。その結果、あらゆる細胞種においてJNKならびにp38の関与を実験的に確認できる系を確立した。一方、さらに上流でJNKならびにp38を制御するキナーゼであるASK1が、NOによって強く活性化されることも見いだした。われわれはすでにASK1ノックアウトマウスを作製しているため、ノックアウトマウス由来の胎児線維芽細胞のNOに対する感受性を検討したところ、NOによるp38の早期の活性化が消失していることが分かった。このことから、NOによって活性化されるMAPキナーゼ系の制御分子の1つとしてASK1が重要な役割をもつことが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Geleziunas, R. et al.: "HIV-1 nef inhibits ASK1-dependent death signalingproviding a potential mechanism for protecting the infected host cell"Nature. 410. 834-838 (2001)
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[Publications] Sawada, Y. et al.: "Rap1 is involved in cell stretching modulation of p38 but not ERK or JNK MAP kinase."J. Cell Sci.. 114. 1221-1227 (2001)
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[Publications] Tobiume, K. et al.: "ASK1 is required for sustained activations of JNK/p38 MAP kinases and apoptosis."EMBO reports. 2. 222-228 (2001)
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[Publications] Yanagisawa, M. et al.: "Inhibition of BMP2-induced, TAK1 kinase-mediated neurite outgrowth by Smad6 and Smad7."Genes Cells. 6. 1091-1099 (2001)
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[Publications] Matsuzawa, A. et al.: "Physiological roles of ASK1-mediated signal transduction in oxidative stress- and endoplasmic reticulum stress-induced apoptosis: advanced findings from ASK1 knockout mice."Antioxidants and Redox Signal. (in press). (2002)