Research Abstract |
本年度はマウス頸部,肩部,胸部,前後肢周囲において有茎筋弁の作製,維持に対する検討,マウスBMP-2,BMP-4,SHHcDNA挿入プラスミドベクターを各種Cell line(A9(マウス皮膚由来由来線維芽細胞),C3H10T1/2(マウス胚由来線維芽細胞様細胞),KMS-6(マウス胚由来線維芽細胞様細胞)),マウス口腔由来線維芽細胞にリン酸カルシウム法を用いた遺伝子導入,BMP-2,BMP-4,SHH蛋白を強陽性で分泌している細胞のスクリーニング,強陽性細胞の大量培養継代数での蛋白分泌の評価を行った. マウス頸部,肩部,胸部においては,僧帽筋,鎖骨頭筋,大胸筋を,前後肢周囲においては浅殿筋,大腿二頭筋を有茎筋弁として挙上,筋弁はゴアテックス膜にて覆い,静置,皮膚縫合し,約2週間経過観察とした.2週間後,各筋弁の状態を評価した.その結果,大胸筋,浅殿筋,大腿二頭筋は血流も良好であり,有茎の筋弁として維持されていた.それに対し,僧帽筋,鎖骨頭筋は血流が維持されず一部が壊死した.これにより,BMP-2,BMP-4,SHH遺伝子導入細胞移植,BMP-2,BMP-4,SHH遺伝子の直接導入による筋弁の骨化実験は,大胸筋,浅殿筋,大腿二頭筋において評価可能であることが示唆された. マウスBMP-2,BMP-4,SHHcDNA挿入プラスミドベクターを各種Cell line(A9,C3H10T1/2,KMS-6),マウス口腔由来線維芽細胞に遺伝子導入したところ,C3H10T1/2,マウス口腔由来線維芽細胞では良好に遺伝子導入,上記遺伝子蛋白分泌が認められたが,A9,KMS-6ではほとんど認められなかった.また,マスBMP-2,BMP-4,SHH遺伝子導入C3H10T1/2,マウス口腔由来線維芽細胞の強陽性細胞の遺伝子発現は予想された様に一過性であり,継代数が1-12継代までは安定した蛋白分泌が認められたが,それ以降は急激に減少した. 今年度は,上記筋弁に遺伝子導入細胞移植,直接遺伝子導入し,骨組織形成について評価する予定である.
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