2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470449
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 卓 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00228975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 誠康 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90273698)
大嶋 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80116003)
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Keywords | S.mutans / DNAワクチン / グルコシルトランスフェラーゼ / 哺乳類発現ベクター |
Research Abstract |
DNAワクチンとは、抗原タンパクをコードするDNAを細胞内に導入して直接発現させることにより免疫応答を誘導する手法である。Streptococcus mutansは、グルカン合成酵素グルコシルトランスフェラーゼ(GTF)を3種類産生し、これらの協同作用で合成された粘着性グルカンにより歯面に付着し、デンタルプラークを形成してう蝕を発生させる。本年度は、3種のGTFのうち、gtfB遺伝子でコードされる非水溶性グルカン合成酵素、GTFBを標的としてDNAワクチンを構築し、特異的な免疫応答誘導の可能性を追及した。 GTFは、機能領域としてスクロースを加水分解するスクラーゼ活性部位(CAT)とグルカンを重合するグルカン結合部位(GBD)を有する。本研究では、各機能部位をコードする遺伝子領域を増幅するPCRプライマーを設計した。その際、プライマーにはベクターに組み込むための制限酵素認識部位とタンパク発現の開始コドンを付与した。これらのプライマーを用い、gffB遺伝子を鋳型としてCATあるいはGBDを増幅し、上記の制限酵素認識部位でサイトメガロウイルス由来のプロモーターを有する哺乳類発現ベクターpcDNA3に組み込み、DNAワクチンpcDNA3/CAT, pcDNA3/GBDを構築した。これらのDNAワクチンは、プライマーに付与した開始コドンとCAT、GBDをコードする遺伝子領域を320bp、1226bpの挿入断片中に各々含んでいた。これらのDNAワクチンを遺伝子導入したマウス繊維芽細胞より抽出した総RNAを用いてRT-PCRを行い、哺乳類細胞におけるCATあるいはGBDに特異的なmRNAの発現を検討した。その結果、CAT、GBDに相当するmRNAの発現が各々の細胞で確認され、これらのmRNAが翻訳されて合成されたタンパク抗原により特異的免疫応答が誘導される可能性が示唆された。
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