2001 Fiscal Year Annual Research Report
食性が顎関節の細胞外マトリックスのタンパク質・遺伝子発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
13470454
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
溝口 到 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40306254)
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
矢嶋 俊彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10018749)
林 一夫 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20316269)
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 助手 (30196191)
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Keywords | 顎関節 / 細胞外マトリックス / プロテオグリカン / バーシカン / ノーザン・ハイブリダイゼーション / PCR / cDNA / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本研究は、咀嚼機能が顎関節組織の細胞外マトリックスの組成あるいは組織の強度にどのような影響を及ぼすのかを、ラットに物性の異なる飼料を与えることによる顎顔面領域での力学的環境要因の変化が、(1)顎関節の細胞外マトリックス(コラーゲン、プロテオグリカン)の発現にどのような影響を及ぼしているのかについて、タンパク質および遺伝子レベルで分子生物学的手法を用いて解明することを目的としている。 1.実験動物および実験方法実験動物として生後2週齢の雄性ウィスター系ラットを用いる。実験動物は、固型飼料群と液状飼料群とに分け、後者には、固型飼料を粉砕し4倍量の水を加えて液状にしたものを用いる。実験期間は、それぞれ2、4、8、12、20、40、60週とし、それぞれ実験期間の終了後に顎関節組織(下顎頭と関節円板)を摘出し、ノーザン・ハイブリダイゼーションによる各種分子の遺伝子発現の定量のために液体窒素を用い凍結保存を、免疫組織化学的検索のためにパラフィン包埋を随時行なっている。 2.抗体の作製、抗体の特異性の証明 市販されていないラット・バイグリカンに対する抗体の作製の前準備として、αドメインとβドメインに対応するcDNAをRT-PCRにより作成し、合成ペプチドを作製、精製を行い、抗体の作製、精製を行なった。抗体の特異性についてはウエスタン・ブロッティングによって確認された。 3.ノーザン・ハイブリダイゼーションによる各種分子の遺伝子発現の定量 試料が揃ったところで各群の円板をグアニジンによりコラーゲンとプロテオグリカンに分離/抽出し、透析後、凍結乾燥下で保存する。下記の分子の定量化はそれぞれの抗体を用いて、ノーザン・ハイブリダイゼーションを施し、円板の各分子の発現を観察する予定である。(a)コラーゲン;I型コラーゲン、II型コラーゲン、III型コラーゲン(b)プロテオグリカン;バイグリカン、アグリカン、バーシカン(c)成長因子;Transforming growth factor(TGF-β),insulin growth factor(IGF) 4.リアルタイムPCR検出装置による遺伝子発現の定量 特定のprimerの組み合わせをもとに、PCRでの定量化を可能にするリアルタイムPCR検出装置を用いて、バーシカンの4つのisoformのmRNAの発現を半定量的に分析することができた。今後、試料が揃ったところで各群について分析を行なう予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hayama M: "Cell death of osteocytes occurs in rat alveolar bone during experimental tooth movement"Caloif Tissue Int. 70(2). 117-126 (2002)
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[Publications] Sasano Y: "Gane expression of MMP8 and MMP13 during embryonic development of bone and cartilage in the rat mandible and hind limb"J Histochem Cytochem. 50(3). 325-332 (2002)
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[Publications] Kuwabara M: "Biochemical and immunohistochemical studies of the protein expression and localization of decorin biglycan in the temporomandibular joint disc"Arch Oral Biology. 203. (2002)