2003 Fiscal Year Annual Research Report
食性が顎関節の細胞外マトリックスのタンパク質・遺伝子発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
13470454
|
Research Institution | Health Sicence University of Hokkaido |
Principal Investigator |
溝口 到 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 教授 (30196191)
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
矢嶋 俊彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10018749)
|
Keywords | 顎関節 / 細胞外マトリックス / プロテオグリカン / コラーゲン / 軟食摂取 / RT-PCR / Western Blotting |
Research Abstract |
本研究では、顎関節円板の細胞外マトリックスの加齢変化をタンパク質および遺伝子レベルで分子生物学的手法を用いて解明することを目的としていた。 実験動物として生後2、4、8、12、16,24、32週のWistar系雄性ラットを用いた。 リアルタイムPCR検出装置による遺伝子発現の定量:本研究では、従来のRNA probeを用いたノーザン・ハイブリダイゼーションではなく、より定量性の高いリアルタイムPCRを用いて各種プロテオグリカンの遺伝子発現を検討した。その結果、バイグリカンの発現は成長に伴い減少傾向を示したが、デコリンは増加を示した。また、バーシカンの発現は生後8週まで増加したが、その後成長に伴い減少した。 ウェスタン・ブロッティングによる各種分子の定量:円板からグアニジンによりコラーゲンとプロテオグリカンに分離/抽出し、透析後、凍結乾燥下で保存する。組織の各マトリックス分子のタンパク質発現は、それぞれの抗体を用いてウェスタン・ブロッティングで分析した。その結果、バイグリカンの発現は成長に伴い減少傾向を示したが、デコリンは増加を示した。また、バーシカンの発現は生後8週まで増加したが、その後成長に伴い減少した。 免疫組織化学染色:抗バイグリカン抗体に対する反応では、円板全体に比較的弱い、均一な染色パターンが認められたが、最も強い反応は円板後方帯において認められた。関節円板のデコリンおよびバーシカン抗体に対する反応は、バイグリカンと異なり顕著な領域差を示した。すなわち、前方帯、後方帯、前方付着部,後方付着部・下顎頭部を含む周辺部において、強い陽性反応が認められた。今後は、以上の結果を踏まえて、軟性飼料でラットを飼育することによる顎関節領域での力学的環境要因の変化が、顎関節の細胞外マトリックスの発現にどのような影響を及ぼしているのかについて検討していく予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Abiko Y, 他: "Immunohistochemical localization of large chondroitin sulphate proteoglycan in porcine gingival epithelia."Eur J Morphol. 39(2). 99-104 (2001)
-
[Publications] Sasano Y, Takahashi I, 他: "Gene and protein expressions of type I collagen are regulated tissues especifically in rat hyaline cartilages in vivo."Eur J Morphol. 39(3). 149-154 (2001)
-
[Publications] Hamaya M, Takahashi I, 他: "An immunohistochemical study of the localization of types I, II and III collagen in the temporomandibular joint of growing monkeys."Acta Histochem Cytochem. 34(6). 405-411 (2001)
-
[Publications] Sasano Y, Zhu JX, 他: "Gene expression of MMP8 and MMP13 during embryonic development of bone and cartilage in the rat mandible and hind limb."Histochem Cytochem. 50(3). 325-332 (2002)
-
[Publications] Kuwabara M, Takuma T, 他: "Protein expression and localization of decorin and biglycan in temporomandibular joint disc of growing rats."Arch Oral Biol. 47(6). 473-480 (2002)
-
[Publications] Takahashi I, Onodera K, 他: "Effect of stretching on gene expression of β1 integrin and focal adhesion kinase and chondrogenesis through cell-extracellular matrix."Eur J Cell Biol. 82(4). 182-192 (2003)
-
[Publications] 溝口 到, 林 一夫: "不正咬合の原因.イラストレイテッド・クリニカルデンティストリー 第4巻 小児歯科疾患・口腔病変・不正咬合"医歯薬出版. 11 (2002)