2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔・咽頭領域の形態が嚥下運動に及ぼす影響―超音波による3次元動態解析―
Project/Area Number |
13470455
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
向井 美惠 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 助手 (50297016)
田村 文誉 昭和大学, 歯学部, 講師 (60297017)
はい島 弘之 昭和大学, 歯学部, 講師 (20272833)
石田 瞭 昭和大学, 歯学部, 助手 (00327933)
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Keywords | 超音波診断装置 / 3次元構築 / 嚥下 / 舌形態 / 食塊形成 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の結果を踏まえ,3次元超音波診断装置を用い,嚥下時食塊形成の際の舌の3次元的形態の測定を行った。まず,超音波画像の歪について,ゼリー中に埋没した金属模型を用いて検討したところ,3次元画像導出に必要なプローブ走査方法のうち走査の回転半径,回転スピードの応じて画像の歪が変化することが明らかとなった。回転半径は大きく,スピードは低速の方がプローブの走査方向に沿った画像の歪が小さくなり,5%程度の延長に歪を抑えることが可能であった。また,走査方向に直角の方向では回転方向やスピードによらずわずかな歪であった。 ついで,この装置の特性を考慮した上で,ヒト嚥下に伴う食塊形成時の舌形態の観察を行った。舌の3次元構築画像作成のためのプローブ走査方向として,(1)2次元前額断画像 (2)2次元矢状断画像の集積の2方法を検討した。(1)では鮮明な画像が得やすいものの,舌の前後的特に後方部の描出領域に制限を受けること,これに対して(2)では舌背の前後的描出範囲は広いが,やや鮮明度に劣ることが明らかとなった。嚥下時に形成される食塊は(1)の手法により描れる範囲に収まっており,食塊形成に限定した観察であれば,(1)の手法が最も良好な結果が得られると判断し,プローブの走査条件(速度・回転半径)と併せて食塊形成観察のための規格化を終了した。 現在,被験者数を増やし,食塊形成の個人差や食塊量や姿勢の変化に伴う3次元的舌形態の変動について検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 萬屋 陽, 田村文誉, 向井美恵: "口蓋部舌圧測定による舌運動評価-口蓋床の厚みが嚥下時舌運動に与える影響-"日摂食嚥下リハ会誌. 6(2). 93-103 (2002)
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[Publications] 冨田かをり, 田村文誉, 向井美惠, 他: "嚥下時口唇圧と最大口唇圧との関連-高齢者と成人との比較-"日摂食嚥下リハ会誌. 6(1). 19-26 (2002)
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[Publications] 大久保真衣, 田村文誉, 向井美惠, 他: "摂食機能発達を考慮した自食スプーンの研究"小児保健研究. 61(3). 503-511 (2002)
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[Publications] 大久保真衣, 石田 瞭, 向井美惠: "咀嚼時の顎と舌の協調運動に関する動態解析"日摂食嚥下リハ会誌. 6(1). 27-37 (2002)
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[Publications] 田村文誉, 向井美惠, 他: "要介護高齢者への専門的な口腔ケア介入効果について"日摂食嚥下リハ会誌. 6(2). 138-144 (2002)
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[Publications] 向井 美惠(編集), はい島弘之, 他: "小児の摂食・嚥下障害リハビリテーションの実際"全日本病院出版. 77 (2002)