2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児における歯周病の発症および進行に与える歯周病原性細菌の影響
Project/Area Number |
13470456
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々 龍二 昭和大学, 歯学部, 教授 (20014201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 武 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10159585)
後藤 延一 昭和大学, 歯学部, 教授 (10077175)
井上 美津子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20112724)
伊田 博 昭和大学, 歯学部, 助手 (10327934)
長谷川 紘司 昭和大学, 歯学部, 教授 (70014024)
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Keywords | PCR / P.gingivalis / A.actionmycetemcomitans / 小児 / 歯周疾患 / ヒト |
Research Abstract |
小児期および学童期の歯周病原性細菌の有無と定着時期を明らかにする目的に,昭和大学小児歯科外来を受診する全身的に健康な6歳から18歳の小児を対象として,上顎右側永久中切歯と上顎右側第一大臼歯を代表歯に選び,臨床学的診断および細菌遺伝学的検査を行う.臨床学的診査には,齲蝕の診査,Probing Pocket Depth,プロービング時の出血の有無(BOP)をおこなった.細菌遺伝学的検査にはPCR法を用いて歯肉縁上プラーク中の歯周病原性細菌の検索をおこなった.対象とする細菌種は,Porphy romonas gingivalis (P.g),Actinobacillus actinomycetemcomitans (A.a),Prevotella intermedia (P.i),およびBacteroides forsythus (B.f)の4菌種とする.以上の診査および検査から,小児期および学童期の口腔内におけるこれら歯周病原性細菌の有無と定着時期について検索した. これら4菌種の16SrRNAの塩基配列を基に菌種特異的なPCRプライマーを作製し,臨床サンプルとのPCR反応を行った結果,年齢別でみると,P.gは,各年齢層とも検出率は低かったが6歳から8歳では,上顎右側中切歯部での検出率は高かった.また,A.a,P.i,B.fの検出率は混合歯列期に高く,永久歯列完成期では低い傾向を示した.これは,永久歯の萌出などの口腔内環境の変化や部位別における細菌叢の違いが示唆される.また,臨床診査と歯周病原性細菌の検出率との関連で,BOPの有無と検出菌種との関係では,3菌種以上の検出率はBOP(-)に比べ,BOP(+)の方が高かった.未検出の割合は,BOP(+)で0%,BOP(-)で8%であった.
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