2002 Fiscal Year Annual Research Report
特異な構造をもつグルタミン酸受容体アゴニストおよびアンタゴニスト活性天然物の合成
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13470471
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑山 範 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20143000)
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Keywords | ダイシハーベイン / カイトセファリン / グルタミン酸受容体アゴニスト / グルタミン酸受容体アンタゴニスト / アミノ酸 / クロスカップリング / アレニルメチルスタナン |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体作用物質の精密合成化学に基づく系統的な研究を目的に、グルタミン酸受容体アゴニストであるダイシハーベインとアンタゴニストであるカイトセファリンの両天然物を研究対象としてとりあげた。両天然物は、いずれも最近単離されたばかりであり、これまでにない特異な構造をもつグルタミン酸受容体作用物質として大きな注目を集めている。 ダイシハーベインの合成に関しては次のように検討した。グルコースから得られる市販の4,6-ベンジリデンメチルα-D-グルコピラノシドにアジド基を位置、立体選択的に導入後、各水酸基の選択的保護、アリルシランとの反応を行い、C-グリコシル化体を数10グラムスケールで得た。続いて、C-グリコシル化体からWacker酸化、トリフラート化、ヨードアラニンから合成した有機亜鉛試薬とのクロスカップリングを行い、鍵中間体をグラムスケールで得た。次に、ピラン環2位の水酸基の反転、エポキシ化、さらに環化を行い、ダイシハーベインの全炭素骨格を有する鍵中間体の合成に成功した。この化合物はアジド基、ヒドロキシメチル基と誘導体化の足場を有しており、ダイシハーベインの誘導体合成のテンプレートとして高い機能を有する。 カイトセファリンに関しては、我々が最近展開しているアレニルメチル金属の反応に基づき検討を行った。その結果、L-セリンから誘導したガーナーアルデヒドにアレニルメチルスタナンを行ったところ、ほぼ完全な選択性で反応が進行しanti-体が高収率で生成することを見いだした。このことにより、不斉中心の集中するカイトセファリンの右半分の簡便合成の見通しがついた。
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