2002 Fiscal Year Annual Research Report
ペンタエリスリトールを利用する新規機能性核酸の創成
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13470481
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90157313)
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Keywords | アンチジーン法 / オリゴヌクレオチド / 制限酵素 / ゲル電気泳動 / ペンタエリスリトール / オリゴピリミジン配列 / オリゴプリン配列 |
Research Abstract |
二本鎖DNAを標的にする細胞機能調節剤として注目されているアンチジーン法は,その熱的安定性の低さからまだ実用化されるに到っていない.我々は,この問題を解決するために,DNA中のポリプリン配列を標的にするのではなく,オリゴプリン配列およびオリゴピリミジン配列の交互配列を標的にして熱的安定性を上昇させるために,オリゴピリミジン配列とオリゴプリン配列の両者をペンタエリスリトールでパラレル型配向に架橋した核酸の性質を調べた.しかし,パラレル型に配向した場合は,酸性側でしか安定な三本鎖を形成しなかったことから,アンチパラレルGTのオリゴヌクレオチドを合成し,その性質を調べた.予想通りオリゴピリミジンおよびオリゴプリン配列をペンタエリスリトールでアンチパラレル配向に架橋した場合は,その結合解離定数(Kd)は10^<-8>Mレベルを示した.さらに溶液の液性に関係なく三本鎖を形成することが明らかになった.一方,ペンタエリスリトールにDNAを結合させる場合は,従来,樹脂に結合させたペンタエリスリトールの2個の水酸基から同時にDNAを行うために,同じ配列しか導入できなかった.この点を改良すべく2個の水酸基に異なる保護基(DMTr基およびレブリニル基)を導入し,異なった配列も導入可能にした.この方法を使って,異なるGT配列を持つオリゴヌクレオチドをペンタエリスリトールと結合させたが,標的とする二本鎖DNAに対するKdは大きくなり,結合が弱まった.今回合成したアンチパラレル配向を持つオリゴヌクレオチドによる三本鎖形成をゲル電気泳動法だけではなく,1)制限酵素による切断実験,2)DNase Iによるフットプリンテング実験により確認した.以上の実験から,オリゴピリミジン配列とオリゴプリン配列の両者をペンタエリスリトールで架橋し,アンチパラレル型に配向させることは,有効な三本鎖核酸形成法になりうることを明らかにできた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hoshika, S. et al.: "Alternate-strand triple-helix formation by the 3'-3'-linked oligodeoxynucleotides using a purine motif"Bioconjugate Chem.. (in press). (2002)
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[Publications] Ueno, Y et al.: "Synthesis of 3'-3'-linked oligonucleotides branched by a pentaerythritol inker and the thermal stabilities of the triplexes with single-stranded DNA or RNA."Bioconjugate Chem.. (in press). (2002)