2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13470483
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒瀬 等 東京大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10183039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 拓 国立医薬品食品研究所, 副所長(研究職) (30217971)
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Keywords | 活性酸素 / 酸素毒性 / 細胞保護 / シグナリング分子 / システイン / 酸化ストレス / Gタンパク質 / セリン変異体 |
Research Abstract |
活性酸素によって代表される酸化ストレスは、これまで細胞毒性の面からのみ捉えられてきた。我々は、心筋細胞を用い酸化ストレスが三量体Gタンパク質を直接活性化すること、さらにこのGタンパク質の活性化が酸化ストレスから細胞を保護させるように働いていることを示した。酸化ストレスによるGタンパク質の活性化メカニズムを分子レベルで解析した。活性酸素で処理したGα_<i2>を質量分析にかけると、6個のシステインのみが修飾されていた。そこで、それぞれのシステインをセリンに変えた変異体を作成し活性酸素との反応性を調べたところ、287番と326番のシステインが活性化に必要なことが明らかになった。三量体Gタンパク質の活性化は、GTPの結合ならびにGαとGβγサブユニットへの解離を必要とする。そこで、活性化の過程と2つのシステインの修飾との関係を調べた。サブユニットへの解離は287番のシステインの修飾により、GTPの結合は287番と326番のシステインの修飾により、起きていることが明らかになった。また、他の活性酸素種(一重項酸素、スパーオキシドアニオン)や活性酸素を発生させる紫外線でも酸化ストレスと同じアミノ酸が修飾されGタンパク質の活性化が生じていた。今後、細胞レベルでGタンパク質の修飾を同定し、どのような時に本研究で明らかにしたGタンパク質の活性化が起きているのか調べる必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shima, T.: "Low affinity of β_1-adrenergic receptor for β-arrestins explains the resistance to agonist-indused internalization"Life Sci.. 68. 2251-2257 (2001)
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[Publications] 黒瀬 等: "活性酸素種とGタンパク質"生化学. 73. 553-556 (2001)
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[Publications] 西田 基宏: "虚血障害とGタンパク質"ファルマシア. 37. 285-289 (2001)
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[Publications] Shiina, T.: "Clathrin box in G protein-coupled receptor kinase 2"J.Biol.Chem.. 276. 33019-33026 (2001)
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[Publications] Nishida, M.: "Activation mechanism of G_i and G_o by reactive oxygen species"J.Biol.Chem.. 277(in press). (2002)