2001 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺転写因子-2(TTF-2)遺伝子解析とクレチン症原因遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
13470522
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
家入 蒼生夫 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80049220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 昭 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (40201727)
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Keywords | クレチン症 / 甲状腺形成異常 / TTF-2転写因子 / 遺伝発現 / アラニン反復回数 |
Research Abstract |
クレチン症は,早期発見・早期治療が行われれば,重篤な合併症である精神発育遅滞を防止できることから新生児マススクリーニングの対象疾患の1つとなっている。クレチン症の病因の80-90%は甲状腺形成異常であるが,その原因遺伝子はほとんどの症例で不明である。可能性のある遺伝子として,TSH受容体,TRH受容体,TTF-1転写因子,PAX8転写因子などがあげられる。我々はすでに日本人甲状腺形成異常症38例につきこれらの遺伝子を解析したが,異常を見出せなかった。そこでTTF-2転写因子遺伝子を解析した。TTF-2蛋白はDNA結合領域としてforkhead domeinを有する転写因子であるが,forkhead domeinのC末端にはアラニン反復配列がある。アラニン反復回数には多型が多いが,我々は甲状腺低形成患者2例でアラニン反復回数の少ない症例を見出した。アラニン反復回数減少とTTF-2転写因子活性の関連を調べる目的で,TTF-2転写因子発現ベクターとTTF-2応答領域を5'端に挿入したルシフェラーゼレポーターベクターを培養細胞に同時導入した。TTF-2転写因子発現ベクターは,アラニン反復回数14回(正常),13回,12回,11回をそれぞれ有するTTF-2遺伝子をCMVプロモーターの下流に導入した。しかし,アラニン復回数を11回に減らしても転写活性の低下を証明できなかった。 以上のことから,TTF-2遺伝子アラニン反復回数の減少は甲状腺形成異常の原因とはならなかったので,次年度以降は他のクレチン症侯補遺伝子を検索する。転写因子は各種遺伝子発現を調節し,甲状腺形成異常のみをきたすことはまれなのかもしれない。むしろTTF-2遺伝子に発現を制御されている遺伝子が重要かもしれない。そこで,TTF-2遺伝子を培養細胞に発現させ,このような遺伝子をクローニングして調べる。
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Research Products
(1 results)