2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢入院患者に対する退院支援プログラムの有効性に関する研究
Project/Area Number |
13470524
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60123204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00332601)
永田 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80323616)
高橋 龍太郎 (財)東京都老人総合研究所, 看護ヘルスケア部門, 研究部長(研究職) (20150881)
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Keywords | 退院支援 / 高齢者 / 在院日数 |
Research Abstract |
今年度は、介入研究の前段階として退院支援研究の基礎資料を得るために、全国の病院における退院支援の普及状況や、退院支援のシステム・活動内容を把握することを目的として調査を実施した。全国の一般病床100床以上の3,268病院全数を対象として、看護婦長および退院支援部署のスタッフに対する郵送調査を実施した。調査期間は2001年11〜12月であった。2002年1月現在、回収率は1,567(回収率47.9%)である。 退院支援部署の有無について尋ねたところ、445病院(28.4%)が「ある」と答え、「設立に向けて準備中」が62病院、「現在検討中」は222病院であった。部署のある445病院についてみると、部署の責任者はMSWが31.0%、看護職が25.6%であった。支援依頼が来るのは、「病棟婦長から」89.0%、「病棟医師から」87.4%、「患者・家族から直接」80.2%が多く、依頼を受けてから退院までの期間は「2週間〜1カ月」が59.3%と最も多かった。退院支援を要する患者から把握する方法として、「病棟訪問」56.4%、「定期カンファレンス」36.0%、「入院患者リストから把握」31.5%、「対象者把握のための用紙を病棟に配布」24.3%が行われていた。退院後のフォローアップとしては、「ケアマネージャーと電話連絡」61.6%、「訪問看護ステーションと電話連絡」56.4%、「退院・転院先の施設と電話連絡」47.4%などが実施されていた。部署が設立されたことの影響として、「平均在院日数が短縮した」48.3%、「地域からの信頼が高まった」39.3%、「病床回転率が増加した」38.0%などが挙げられた。 以上の結果を踏まえ、広く全国の病院に応用可能な退院支援方法の開発を行い、介入研究の実施に向けた取り組みを行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Murashima S, Nagata S, Magilvy JK, Fukui S, Kayama M: "Home care Nursing in Japan : A Challenge for Providing Good Care at Home"Public Health Nursing. 19(2). 94-103 (2002)
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[Publications] Murashima S: "Community-based elderly nursing care in Japan"Proceedings of the 3^<rd> International Nursing Conference on Elderly Health and Nursing. 79-83 (2001)
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[Publications] 村嶋幸代, 永田智子, 春名めぐみ: "訪問看護-病院から訪問看護ステーションへ"看護研究. 35(1). 15-24 (2002)
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[Publications] 田口樹美, 高橋雪子, 鷲見尚己, 村嶋幸代: "退院支援:病棟での実施と専門部署への依頼の比較-東大病院老年病科における分析-"保健の科学. 44(2). 161-166 (2002)
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[Publications] 永田智子, 村嶋幸代: "退院支援の現状と課題"保健の科学. 44(2). 95-99 (2002)
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[Publications] 村島幸代(分担執筆), 大内尉義編: "標準理学療法学・作業療法学:老年学(第18章 高齢者の退院支援)"医学書院. 260 (2001)