2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢入院患者に対する退院支援プログラムの有効性に関する研究
Project/Area Number |
13470524
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村嶋 幸代 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60123204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 宏一朗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30282627)
大内 尉義 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80168864)
永田 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80323616)
春名 めぐみ 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00332601)
高橋 龍太郎 (財)東京都老人総合研究所, 看護・ヘルスケア部門, 研究部長 (20150881)
|
Keywords | 退院支援 / 高齢者 / 介護保険 / フォローアップ |
Research Abstract |
昨年度の全国調査において、退院支援部署が1/4の病院にしか普及していなかった結果をふまえ、今年度は、(1)退院支援部署が病院に与える影響についての調査を実施した。また、(2)介護保険該当患者を対象とした支援内容の分析を実施した。 (1)退院支援を専門に行う部署の有無により、病棟看護師が行う退院支援活動や有する知識・関心などが異なるかどうか検討するために、2つの国立大学附属病院の病棟看護師全数を対象として、自記式調査票による郵送調査を行った。 その結果、部署を有する病院の看護師の方が、介護保険に対する知識や、退院支援に関する講座の受講経験が多い傾向があった。退院支援の実施内容では、患者・家族教育など「医療・ケアに関する支援」では差がなかったが、介護保険制度や地域資源の紹介などの「病院外の資源に関する支援」については、部署を有する病院の看護師の方が多く行っていた。以上より、退院支援部署があることにより、病棟看護師の地域資源や制度についての関心が深まり、それらに関する支援も多く行えていることが示唆された。 (2)2000年4月〜2002年9月に東大病院退院支援部署が支援を行った全ケースのうち、介護保険サービスを受けて自宅退院した患者101名を対象として、部署が行った支援内容を患者のタイプ別に整理した。 その結果、入院後に介護保険を申請した患者と、入院前から介護保険を利用していた患者とでは、介護支援専門員の職種や、部署と介護支援専門員との関係に相違があった。また、ADLが低い患者、痴呆を有する患者、医療処置を要する患者、独居患者は、それぞれサービスの紹介数が平均に比して多かったが、サービスの種類はそれぞれ異なっていた。以上より、入院前の介護保険利用の有無・患者の身体状況や家族形態などにより、退院支援内容が異なることが示された。現在、これらの患者へのフォローアップ調査を予定している。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Murashima S, Asahara K: "The effectiveness of the around-the clock in-home care system : Did it prevent the institutionalization of frail elderly?"Public Health Nursing. 20(1). 13-24 (2003)
-
[Publications] Murashima S, Nagata S, Magilvy JK, Fukui S, Kayama M: "Home Care Nursing in Japan : A Challenge for Providing Good Care at Home"Public Health Nursing. 19(2). 94-103 (2002)
-
[Publications] Asahara K, Momose Y, Murashima S: "Family caregiving of the elderly and Long-Term Care Insurance in rural Japan"International Journal of Nursing Practice. 8(3). 167-172 (2002)
-
[Publications] 水流聡子, 中西睦子, 太田勝正, 村嶋幸代, 他4名: "臨床における情報共有のための看護用語標準化の課題 -看護行為の名称と内容に関する対応の実態-"医療情報学. 22(1). 59-70 (2002)
-
[Publications] 鈴木学美, 宮田さおり, 近森栄子, 村嶋幸代, 他8名: "訪問看護における看護実践用語の構造と特徴"日本看護科学学会誌. 22(2). 11-22 (2002)
-
[Publications] チェジョンヒョン, 村嶋幸代, 服部真理子, 堀井とよみ, 永田智子, 麻原きよみ: "訪問看護とホームヘルプサービスの利用に影響を及ぼす要因"日本公衆衛生雑誌. 49(9). 948-958 (2002)
-
[Publications] 大内尉義, 村嶋幸代 監修, 著者16名(分担執筆): "退院支援:東大病院医療社会福祉部の実践から"杏林書院. 259 (2002)