2003 Fiscal Year Annual Research Report
発育に伴う骨及び骨格筋細胞の立体構造変化と細胞内情報伝達機構の関連性
Project/Area Number |
13480010
|
Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
倉田 博 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (80056895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (40253926)
竹倉 宏明 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00206963)
上 勝也 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (20204612)
|
Keywords | 筋細胞 / 再生 / インターロイキン / myo D / desmin / 筋衛星細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
血病阻害因子は、インターロイキン-6、毛様体神経栄養因子、オンコスタチンM、インターロイキン-11、カルディオトロフィン-1とともに一つのファミリーを形成している(IL-6ファミリー)。IL-6ファミリーの機能は、それぞれに特異的な受容体との結合により制御されている。本研究では、増殖停止筋芽細胞と筋管細胞で産生されるサイトカイン、およびその下流で活性化される細胞内シグナリング分子の検索に取り組んだ。本年度はAktの上流および下流で作動しているIGF-1とmTORの発現変化に焦点を当て検討した。筋挫傷1日後のM-cadherin/MyoD陽性筋衛星細胞には、IGF-1、リン酸化Akt、リン酸化mTORの発現は認められなかったが、筋挫傷3日後の筋組織に認められる基底膜内にリング状に配列したDesmin陽性筋芽細胞は、IGF-1陰性/リン酸化Akt陽性/リン酸化mTOR陽性を示した。筋挫傷6日後のDesmin陽性筋管細胞はIGF-1、リン酸化Akt、リン酸化mTOR抗体の全てに陽性反応を示した。このように筋線維の肥大に重要な役割を演じているIGF-1とIGF-1により活性化される細胞内シグナリング分子、AktとmTORは筋衛星細胞や増殖筋芽細胞での活性化は検出されず、Akt/mTORの活性化は増殖停止筋芽細胞に、またIGF-1の発現とAkt/mTORの活性化は筋管細胞に認められた。従って、筋管細胞で産出されたIGF-1は自己分泌/傍分泌機構を介してAkt/mTORの活性化を誘導する可能性が示唆された。このように骨格筋の再生は、細胞外から種々のサイトカインが筋衛星細胞、筋芽細胞、筋管細胞、筋線維にはたらきかけ、その刺激に応じて特定の細胞内シグナル伝達経路が特定の細胞で作動することにより進行することが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takekura, H., Tamaki, H., Nishizawa, T., Kasuga, N.: "Plasticity of the transverse tubules following denervation and subsequent reinnervation in rat slow and fast muscle fibres."J.Muscle Res.Cell Motility. 24. 439-451 (2003)
-
[Publications] Nishizawa, T., Tamaki, H., Kasuga, N.Takekura, H.: "Degeneration and regeneration of neuromuscular junction achitectures in rat skeletal muscle fibres damaged by bupivacaine hydrochloride."J.Muscle Res.Cell Motility. 24. 527-537 (2003)
-
[Publications] Ishido, M., Kami, K., Masuhara, M.: "Localization of MyoD, myogenin and cell cycle regulatory factors in hypertrophying rat skeletal muscles."Acta Physiol.Scand.. 180. 1-9 (2004)