2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射性核種を活用した流域-湖沼系における水文地形システムの解明
Project/Area Number |
13480019
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柏谷 健二 金沢大学, 理学部, 教授 (30161029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増沢 敏行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40023858)
濱島 靖典 金沢大学, 理学部, 助手 (60172970)
長谷部 徳子 金沢大学, 理学部, 助手 (60272944)
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Keywords | 放射性各種 / 水文地形システム / 湖沼堆積物 |
Research Abstract |
本研究は金沢・滝谷池,滋賀県・余呉湖,六甲山系獺池の湖沼-流域系を対象として以下の点を中心にして遂行される;(A)過去数百年の気候変動に対応した水文環境の変動そして侵食過程を通じて地表部はどのような物理的な反応を示したかを明らかにするために,それらの記録が記されている可能性が高い湖沼堆積物に放射性核種による年代(Cs-137, Pb-210そしてC-14)を導入し,その堆積構造や物理特性の変遷の解析を行う.(B)対象湖沼-流域系の構造を明らかにするためにそれらの流域の衛星資料,空中写真,地形・地質情報等を用いて地形特性の解析を行う.(C)過去数十年における流域の侵食過程を明らかにするためにCs-137やBe-7等の放射性核種を利用して侵食域の分布特性,侵食速度を推定する.(D)堆積物の物理・化学特性と流域特性から土砂の供給源を推定し,湖沼-流域系における土砂収支の推定とともに系の水文地形システムの定量的な構造を明らかにする.以上の考え方から平成13年度は以下の研究を行った。 1.試験湖沼-流域の設定および資料の収集;金沢・滝谷池,余呉湖,六甲山系・獺池に調査対象地を設定し,衛星資料,空中写真資料,地形資料,水文資料等を収集し現地調査を行った. 2.流域地形特性の解析;衛星資料,空中写真資料,地形資料等を基礎に,リモートセンシング法を用いて流域の地形環境の特性の解析を進めた. 3.流域の土層構造・侵食特性の解析;流域内でコア試料を採取しCs-137, Be-7等の放射性核種の測定を行った. 4.湖沼堆積物の採取・分析;対象湖沼で底泥堆積物の採取を行い,粒度分析等の物理分析および化学分析・年代測定(Cs-137, Pb-210, C-14)等を行った.
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