2001 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルユニバーシティ構築の基礎づけに関する総合的研究
Project/Area Number |
13480044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 毎実 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 教授 (70093432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 講師 (00283656)
大山 泰宏 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 助教授 (00293936)
藤岡 完治 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 教授 (90030048)
石村 雅雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80193358)
神藤 貴昭 京都大学, 高等教育教授システム開発センター, 助手 (00314261)
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Keywords | バーチャルユニバーシティ / 遠隔教育 / 高等教育 / 授業研究 / FD / 電子掲示板 / メディア / オンライン教育 |
Research Abstract |
本年度は、公開実験授業(京大)、KKJ実践(京大-慶大合同ゼミ)、TIDEプロジェクト(京大-UCLA合同授業)を実施あるいは参観し、分析をおこなうとともに、バーチャルユニバーシティ(以下VU)・オンライン教育(以下OE)に関する文献研究を行い、特に教養教育としてVU・OEがどのような役割を果たすかについての中間的総括を試みた。公開実験授業班においては紙メディア「何でも帳」における教育-学生、学生-学生間の相互行為の分析、ハンドアウト教材やビデオ教材と学生の反応の関係の分析等がなされた。また、授業終了後毎回授業検討会が開催された。KKJ班においては授業で用いられた電子掲示板の分析がなされ、掲示板上での他大学学生の存在により、自らの学びや自らの大学の授業などが問い直されることが示された。また、遠隔合同授業におけるFD、特にスタッフ間相互研修の意義と問題点について検討されたほか、オン/オフラインの形態と、学生が経験するリアリティの組み合わせによりVU・OEの分類が試みられた。さらに、VU・OEの一部における不安定な「授業の枠」と教員の責任の問題が検討された。UCLA班においては遠隔授業の評価に関する研究がなされ、学生の評価が遠隔授業環境の受容に従って徐々に高まり、授業の内容面での評価を行うようになること等が示された。これらの検討と文献研究の成果をあわせ、VU・OEにおける学生の経験はけっしてバーチャル(仮想)ではないこと、VU・OEの前提としての学生の「メタ・メディアリテラシー」の重要性、ラインの向こうの「他者」を積極的に生かした異文化教育としてのVU・OEの有効性、VU・OEにおける学生主導型授業の構築、VU・OEにおける学生の社会化や人格形成などを観点として中間的総括を行った。以上の成果は学会(日本教育工学会等)発表、論文(『京都大学高等教育研究』等)として公表された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中 毎実: "ラインの向こうとこちら--遠隔ゼミにおける学生集団・教員集団の異文化性"平成13年電気・情報関連学会連合大会講演予稿集. 43-50 (2001)
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[Publications] 藤岡 完治: "大学授業の構造と学習経験の関連に関する研究-大学授業の参加観察を通して-"京都大学高等教育研究. 7. 1-23 (2001)
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[Publications] 溝上慎一, 藤田哲也: "授業通信による学生との相互行為II-相互行為はいかにして作られたか-"京都大学高等教育研究. 7. 89-110 (2001)
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[Publications] 神藤貴昭, 田口真奈, 村上正行: "高等教育におけるインターネット利用の可能性-バーチャル・ユニバーシティ構築に向けて-"京都大学高等教育研究. 7. 111-130 (2001)
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[Publications] 吉田文: "コンソーシアム型バーチャル大学は未知数"カレッジ・マネジメント. 108. 50-60 (2001)
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[Publications] 田部井 潤: "教授者による授業評価の検討-KKJを事例として-"国際経済論集(浜松大学). 8巻2号. 161-166 (2001)