Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 公治 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60113669)
上野 直樹 国立教育政策研究所, 初等・中等教育研究部, 総括研究官 (40124177)
松本 健義 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90199878)
茂呂 雄二 筑波大学, 心理学系, 助教授 (50157939)
西阪 仰 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80208173)
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Research Abstract |
平成14年度は研究協力校において,子どもの学びの実践事例観察調査と分析考察を行い,子どもの学びの過程をとらえ学びの成り立ちを支える<学習場面臨床学>,<学習臨床カウンセリング>に基づく「基礎・基本」としての<学習過程臨床カリキュラム>の全体構造の構築と教育実践開発を行った。 1.<学習場面臨床学>の全体構造と臨床的実践の在り方 子どもともの,こと,人との相互行為・相互作用による,<行為>,<意味>,<私>,<他者>,<世界>のそれぞれの成りたちの構造より,学びの臨床的在り方を,子どもの行為によりもの,こと,人と<働きかける-働きかけられる>ことによる未知・未来への<あいだ>の生成として構想した。 2.「基礎・基本」としての<学習過程臨床カリキュラム>の全体構造と教育実践開発の臨床的検証 上記構想に基づく教育実践開発の臨床的検証を行い,子どもの個別性の成り立ちと個を含んだ集団性との成り立ちとが,子どもの学びの過程で,もの,こと,人との相互作用・相互行為において,相互関係的に生成されていくことを明らかにした。 3.<学習臨床カウンセリング>の全体構造と臨床的実践の在り方 1及び2の成果より,子どもが,もの,こと・人との相互行為・相互作用を,行為により成りたたせうる関係的状況の設定,そうした関係的状況において,子どもの行為の過程を,自己の行為を通しておのずから他者と共に意味生成を成りたたせ得る支援の在り方について考察した。 以上より,<学習場面臨床学>及び<学習臨床カウンセリング>の論理と方法に基づく<学習過程臨床カリキュラム>の全体構想とは,子どもの行為と,もの,こと,人との関係的状況が作動することが可能となる状況を構想準備し,子どもとその関係状況との動的過程における子どもの意味生成過程をとらえて支えることにより検証されていく円環的構造をもつものであることを考察した。
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