2001 Fiscal Year Annual Research Report

工学的評価基準による離散アルゴリズムの高品質化に関する研究

Research Project

Project/Area Number	13480081
Research Institution	Kyoto University
Principal Investigator	岩間一雄京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	宮崎修一京都大学, 情報学研究科, 助手 (00303884) 伊藤大雄京都大学, 情報学研究科, 助教授 (50283487) 岡部寿男京都大学, 情報学研究科, 助教授 (20204018)
Keywords	工学的評価基準 / コンパクトルーティング / 格子状ネットワーク / 伸張係数 / 安定結婚問題 / 安定マッチング / 近似アルゴリズム / 確率アルゴリズム
Research Abstract	離散アルゴリズムの良さの評価基準としては,長期間に渡って,漸近的な計算時間がほとんど唯一のものとされて来た.しかし,この漸近的計算時間が評価尺度として適切でない場合が多いこともしばしば指摘され,様々な角度からアルゴリズムを評価する動きが高まって来た.例えば,困難な組合せ問題を近似アルゴリズムで解く時の近似度や,将来の入力が分からないオンライン問題に対するアルゴリズムの良さをオフラインアルゴリズムの性能との比較で議論する競合比は,現在最も重要視されている尺度である. 本研究の目的は,このような新しい各種尺度を,「工学的評価基準」としてとらえ,そのような基準の基で高性能なアルゴリズムを開発することである.今年度の具体的テーマは,ネットワークルーティングおよび安定マッチング問題である. ルーティングにおいて,パケットの移動距離の最適値からの比(伸張係数と呼ぶ)と、ルータに置かれたルーティングテーブルのサイズとは一般にトレードオフの関係にある.一般の網の場合は,伸張係数を3-εまで許しても,ルーティングテーブルのサイズを自明なO(nlogn)からほんの少ししか減らせないことが分かっている.本研究では,実用性を失わない範囲内で網に制限を加えることにより,ルーティングテーブルのサイズを小さくすることに成功した.具体的には,「平坦」な網(例えば格子状ネットワーク)に対して,テーブルサイズを√<nlogn>まで減らせることを示した. 同順位リストと不完全リストが認められた安定結婚問題において,最大サイズの安定マッチングを求めることはNP困難である.これまで最良の近似アルゴリズムは,自明な近似度2を与えるものであった.本研究では,確率を用いることにより,10/7の近似アルゴリズムを開発し,初めて近似度2を切るアルゴリズムを示した.また,そのアルゴリズムを基にして,決定性でも近似度2を切るアルゴリズムを開発した.

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] Iwama, K., Okabe, Y., Takase, T.: "Separating Oblivious and Non-Oblivious BPs"Proc. Computing and Combinatorics Conference. 28-38 (2001)
[Publications] Iwama, K., Tamaki, S.: "Exploiting Partial Knowledge of Satisfying Assignments"Proc. Workshop on Algorithm Engineering. 118-128 (2001)
[Publications] Iwama, K., Miyano, E.: "An O(√<N>) Oblivious Routing Algorithm for 2-D Meshes of Constant Queue-Size"Journal of Algorithms. (掲載予定).
[Publications] Manlove, D. et al.: "Hard Variants of Stable Marriage"Theoretical Computer Science. (掲載予定).
[Publications] Asahiro, Y., Hassin, R., Iwama, K.: "Complexity of Finding Dense Subgraphs"Discrete Applied Mathematics. (掲載予定).
[Publications] Halldorsson, M., et al.: "Online Independent Sets"Theoretical Computer Science. (掲載予定).
[Publications] 岩間一雄: "アルゴリズム理論入門"昭晃堂. 185 (2001)

2001 Fiscal Year Annual Research Report

工学的評価基準による離散アルゴリズムの高品質化に関する研究

Principal Investigator

岩間 一雄 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)

Research Products

[Publications] Iwama, K., Okabe, Y., Takase, T.: "Separating Oblivious and Non-Oblivious BPs"Proc. Computing and Combinatorics Conference. 28-38 (2001)

[Publications] Iwama, K., Tamaki, S.: "Exploiting Partial Knowledge of Satisfying Assignments"Proc. Workshop on Algorithm Engineering. 118-128 (2001)

[Publications] Iwama, K., Miyano, E.: "An O(√<N>) Oblivious Routing Algorithm for 2-D Meshes of Constant Queue-Size"Journal of Algorithms. (掲載予定).

[Publications] Manlove, D. et al.: "Hard Variants of Stable Marriage"Theoretical Computer Science. (掲載予定).

[Publications] Asahiro, Y., Hassin, R., Iwama, K.: "Complexity of Finding Dense Subgraphs"Discrete Applied Mathematics. (掲載予定).

[Publications] Halldorsson, M., et al.: "Online Independent Sets"Theoretical Computer Science. (掲載予定).

[Publications] 岩間 一雄: "アルゴリズム理論入門"昭晃堂. 185 (2001)

岩間一雄京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)

[Publications] 岩間一雄: "アルゴリズム理論入門"昭晃堂. 185 (2001)