2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480092
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
東条 敏 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90272989)
|
Keywords | ソート論理 / 時間論理 / 強い否定・弱い否定 / 信念改訂 / エージェント |
Research Abstract |
本年度研究の成果としては,暗黙に否定の意味が内在するソートを含んだソート階層と知識ベースとの結合を強化した推論機構を提案した.従来の知識ベースでは,ソート階層に含まれているような否定的要素を内在するソートに対して,その否定による情報を推論に反映できなかった.しかし,否定要素を含むソートの階層関係を形式化することによってその問題に対処する.否定的要素を含むソートは,自然言語では語彙項目の否定と呼ばれ,(i)接辞による否定と(ii)ある他の概念と対立するために否定的意味が内在する語彙との2種類があり,否定辞(not, no)とは異なった特性を持つ.本研究では,否定が内在するソートを語彙項目の否定から考察することで,(i)に対して強い否定の概念に基づいた否定演算子を導入し,語彙そのものが統語論的に否定の要素すらもたない(ii)を,ソート階層で反意語と排他性を持つソートとして捉える.そのうえで,異なる否定間での推論を実現するために,否定間の関係をソート階層で互いに関係づけ,肯定表現と排他性および全域性などを明確にし,その結果,拡張したソート表現に関する導出処理を提供することができた. また,時間と否定の論理を組み込むにあたっては,それらの概念が実世界でのインタラクションにどのように左右するかを観察する必要がある.今年度は本研究の一環として実世界に埋め込まれたエージェントの信念の論理を考察するため,(i)belife revisionの研究においてエージェントが新たな情報を全面的に信頼しない枠組みでのrevisionのしくみを提案した.さらに,(ii)このような信念の論理を時間の論理と組み合わせて,時間と信念のモダルオペレータを持つエージェントの論理を構成した.
|
Research Products
(1 results)