2001 Fiscal Year Annual Research Report
音の分節・補完にかかわる聴覚皮質機能の光学的計測法による研究
Project/Area Number |
13480096
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
堀川 順生 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50114781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
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Keywords | 音の補完 / 一次聴覚皮質 / 光学的計測法 / 電位感受性色素 / 時空間的神経活動 / モルモット / 無音区間 / 雑音区間 |
Research Abstract |
音の途中に雑音区間を含む音は、雑音区間で前後の音が補完され音がつながって聞こえる。この現象は音の補完現象とよばれ、雑踏などで目的の音を聞き取るのに重要な役割を果たしている。一次聴覚皮質(AI)が音の補完現象に関与するかについて、光学的計測法を用いて動物実験で調べた。動物はAIからの光学計測が容易なモルモットを用いた。ネンブタール麻酔下で露出した聴覚皮質を電位感受性色素RH795で染色し、12x12チャンネルのフォトダイオードアレイ(空間分解能250mm、時間分解能0.58ms)で神経活動を記録した。一回の計測範囲は3x3mmであるため、計測場所をずらして数回の計測を行い、AI全体の活動をコンピュータで合成した。音刺激として無音区間(gap)を含む純音(PGP)、雑音区間を含む純音(PWP)および純音(コントロール)を用いた。PGPに対しては、最初の音に対する活動(R1)とgap後の音に対する活動(R2)が現れる。純音に対してはR1のみが現れる。Gap後の活動R2を指標にすると、R2はgapが5ms以下では現れず5-10ms以上で現れることから、AIは5ms以下のgapを検知していないと考えられる。一方、PWPに対しては、純音に対する活動と雑音に対する活動とが経時的に現れる。これらの活動は雑音の強度、時間的位置および長さ、純音の周波数および強度に依存する。雑音に対する活動はAI全体に広がるが、その前にある純音によって引き起こされた抑制の影響を受け、純音の周波数バンドおよびその周辺の活動は抑制される。また、雑音はその後の純音に対する活動を抑制する。純音の周波数バンドの活動を見ると、雑音が80ms程度まで長くなってもR2が出現しない。これは雑音が挿入されたことにより、雑音によるR2の抑制が起こり、純音が途切れていることが検知されなくなったと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Horikawa, A.Hess, M.Nasu, Y.Hosokawa, H.Scheich, I.Taniguchi: "Optical imaging of neural activity in multiple auditory cortical fields of guinea pigs"NeuroReport. 12. 3335-3339 (2001)
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[Publications] J.Horikawa, A.Hess, Y.Hosokawa, I.Taniguchi: "Spatiotemporal processing of auditory information in multiple auditory areas of the guinea pig auditory cortex: an optical recording study"Advances in Ethology,XXVII International Ethologial Conference,Tuebingen, Germany,. 36. 23 (2001)
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[Publications] Y.Hosokawa, J.Horikawa, M.Nasu, I.Taniguchi: "Optical imaging of azimuthal activities in multi-fields of the guinea pig auditory cortex"Advances in Ethology,XXVII International Ethologial Conference,Tuebingen,Germany,. 36. 180 (2001)
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[Publications] J.Horikawa, Y.Hosokawa, I.Taniguchi: "Optical recording from guinea pig auditory cortex in vivo"Jpn.J.Physiol.. 51. S47 (2001)
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[Publications] Y.Hosokawa, J.Horikawa, M.Nasu, I.Taniguchi: "Optical imaging of neural activities evoked by azimutal sound in multifields of the guinea pig auditory cortex"Jpn.J.Physiol.. 51. S208 (2001)
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[Publications] Y.Yamaguchi, J.Horikawa, I.Taniguchi: "In:Ed.R.R.Poznanski, "Biophysical Neural Networks",Neural dynamics of vocal processing in the auditory cortex"Mary Ann Liebert Inc.,NY.. 343-362 (2001)