2002 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク分散知識システムのための知識共生モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
13480100
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
村田 剛志 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (90242289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 龍太郎 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 助手 (00332156)
武田 英明 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 助教授 (80252831)
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Keywords | 知識共生 / インターネット / WWW / オントロジー / エージェント / コミュニティ |
Research Abstract |
本年度は,前年度考察した知識共生の概念に基づき、個別の領域での知識共生の実現の方法について研究を行った。 知識共生概念の検討においてまず次のような仮説を設定した.知識をもつ担体、知識主体(knowledgeable entity)というものを仮定する。この知識主体は知識を利用して問題を解決したりすると同時に自らの知識を拡張する。知識主体は計算機によるプログラム(いわゆるソフトウエアエージェント)であってもよいし、人間、あるいは人間のグループであってもよい。インターネットにおける情報流通はこの知識主体間の関係を用いて再定義される。インターネットに存在するそれぞれの情報源もここでいう知識主体であり、またインターネットの利用者も同様である。このような利用者と情報源の関係も知識主体間の関係として再定義される。これにより問題のクラスを次の4つに分けた.(A)知識主体の静的関係の構築:ここでは知識の統合やalignmentなど複数の知識間の関係をいかに表現して発見できるかが課題である。(B)知識主体の動的関係の構築:知識の変化する過程に注目して、この過程をモデル化、システム化することが課題である。(C)知識主体の自律的形成:一定の目的をもった知識主体が人間やエージェントの関係からいかに形成されうるかについての問題。(D)知識主体の自律的拡張:さらに知識主体がいかに自らの知識を拡張していくかの問題。 まず(A)の問題の解決方法として、概念体系の収集と統合という仕組みを提案した。ここでは、さまざまな領域の概念体系を概念の階層的関係と例(インスタンス)として表現し、これらの概念体系間の構造の類似性を利用することで関係を機械的に発見する。 次に(B)の問題の解決方法として、モバイルエージェントによる開放型分散環境による情報共有機構の提案と評価を行った。分散的な情報やサービスの共有においては情報・サービス自身あるいは環境の変化が著しい。このため、ここでは仲介エージェントとモバイルエージェントを組み合わせることで変化への柔軟性を実現した。 (C)の問題に対する研究としては、Webコミュニティの洗練手法について提案を行った。ここでは、コミュニティを発見するときのルールとして多数決的原理を持ち込むことで、関連性の薄いページによる話題の遷移を抑えることが可能であることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 市瀬龍太郎, 武田英明, 本位田真一: "階層的知識間の調整規則の学習"人工知能学会論文誌. 17・3. 230-238 (2002)
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[Publications] 村田剛志: "ハイパーリンクのグラフ構造に基づくWebコミュニティの洗練"人工知能学会論文誌. 17・3. 322-329 (2002)
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[Publications] R.Ichise, H.Takeda, S.Honiden: "An Examination of the Relationships between Internet Directories"Proceedings of the EKAW-02 Workshop on Knowledge Management through Corporate Semantic Webs. 23-36 (2002)
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[Publications] H.Takeda, M.Hamasaki, R.Ichise: "Development of the Prototype System for Collection and Integration of Concept Systems"Proceedings of International Workshop on Semantic Web Foundations and Application Technologies. 47-50 (2003)
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[Publications] 武田英明, 市瀬龍太郎, 村田剛志, 本位田真一: "知識共生-新しい知識流通の基盤を目指して-"第16回人工知能学会全国大会論文集. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] N.Yoshioka, T.Kawamura, A.Ohsuga, S.Honiden: "Evaluation of A Multi Agent Framework for Open Distributed Systems"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications, and Computer Sciences. Vol.E85-A, No.11. (2002)