2001 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起減光分光法による負性プラズマのシース電場測定
Project/Area Number |
13480124
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門田 清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60093019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 光利 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50335072)
佐々木 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50235248)
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Keywords | レーザー誘起減光分光法 / 電場 / シース / 負性プラズマ / Arプラズマ / 準安定Ar原子 / Ar高励起準位 / シュタルク効果 |
Research Abstract |
半導体プロセスに用いられる負性プラズマにおいて、プラズマと基板間のシース領域に存在する準安定Ar原子にレーザー誘起減光分光法を適用し、シース電場の空間分布を高時間・空間分解、高精度で測定する手法を開発する。色素レーザーとOPOレーザーを用い、準安定状態から電場でシュタルク分裂した高励起準位へ2段階励起する。色素レーザーで励起された準位からの誘起蛍光を観測し、OPOレーザー波長の関数として誘起蛍光強度変化を測定することにより、減光スペクトルのシュタルク分裂幅から電場強度を決定する。 初年度の平成13年度には、側面の3方向に窓をもった円筒型真空容器を用い、内部アンテナ方式による誘導結合型プラズマ発生装置を製作した。直径5cmの円形アンテナを真空容器の上部から挿入し、同じく直径5cmの平板電極をアンテナから5cm程度離して下部に設置した。1段目の励起用色素レーザーと2段目の励起用OPOレーザーを側面の対向している窓を通して電極前面に同軸・同期条件で入射し、第1段目の励起状態から放射される誘起蛍光を直角方向側面の窓から分光器と光電子増倍管からなる誘起蛍光検出系で検出した。 今年度はアルゴンプラズマを生成し、シース内の準安定Ar原子にレーザー誘起減光分光法を適用した。準安定Ar原子の励起波長(697nm)に固定した色素レーザーを平板電極面に平行に入射し、さらに510nm域のOPOレーザーを用いて色素レーザーで励起されたAr原子を電離エネルギー近傍の高励起準位へ励起した。OPOレーザー波長の関数として、色素レーザー励起準位からの誘起蛍光(772nm)の減光スペクトルを観測し、電場の存在が無視できるバルクプラズマ中において、主量子数n=58までの高励起準位に対応する減光スペクトルを得ることができた。また、100V程度の電位を印加した電極近傍では、シース電場によりn=40近傍のスペクトル線が分裂することも確認でき、本年度の研究計画をほぼ達成することができた。
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