2001 Fiscal Year Annual Research Report
電子サイクロトロン加熱による球状トカマクの形成と維持
Project/Area Number |
13480125
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90183863)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 伸 京都大学, 核融合科学研究所, 助教授 (80170025)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (90322164)
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
|
Keywords | 球状トカマク / 電子バーンシュタイン波 / 電子サイクロトロン加熱 / モード変換 |
Research Abstract |
本年度は研究実施一年目であり、以下のような診断装置や計算コード、入射アンテナ系などの整備を行ないつつ、O-X-Bモード変換による電子バーンシュタイン波の励起とその電子サイクロトロン加熱による球状トカマクの形成実験を行なって基礎的なデータを収集した。 1.入射マイクロ波によって駆動されたプラズマ電流を計測するために磁束計測用ループコイルと積分器を増設し、合計15の信号をCAMACシステムのA/Dコンバータを通して取り込めるように整備した。そして、プラズマ電流を7本のフィラメント電流で近似することにより電流分布の表現の自由度が高まり、精度良くプラズマ電流と最外殻磁気面を求められるようになった。また、プラズマ電流立ち上げ時には平衡をとるために垂直磁場を増加させる必要があるが、その時に真空容器に渦電流が流れる。その影響を差し引くことで、より正確な磁気計測ができるようになった。 2.フォトロン社製の高時間分解能可視光ビデオカメラを購入し、光学系を整備してプラズマ全体の約2/3を4msおきに画像として取り込めるようにした。発光分布と磁気計測から得られた最外殻磁気面の形状を比較することで、電流立ち上げに最適な垂直磁場強度や3対の垂直磁場コイルに流す電流比を見積もることができた。 3.波動方程式を数値的に解くことによりO-X-Bモード変換効率を求める計算コードを開発した。そしてマイクロ波の入射角依存性を調べるためにトロイダル方向に入射アンテナを20度回転できる駆動機構を新たに製作した。これにより、O-X-Bモード変換に最適と考えられる磁場方向屈折率を持ったマイクロ波を入射できるようになった。現在は実験データの集積を行なっており、その結果をまとめて理論予測との比較を行なう予定である。 4.O-X-Bモード変換効率の計算結果からカットオフ密度近傍の密度勾配が変換効率に大きな影響を与えることがわかった。そこで、アンテナ近傍に現れるカットオフ密度層での密度勾配を制御するために、垂直方向に40cmの長さを持つ可動式のモリブデンリミターを入射アンテナの隣のポートに設置した。また、この付近での密度分布を計測するための高速掃引プローブを製作中である。
|