2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上坂 充 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30232739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 孝司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80204030)
吉井 康司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00210641)
渡部 貴宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282582)
高橋 浩之 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (70216753)
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Keywords | 時間分解X線ホログラフィ / レーザープラズマ / X線イメージング / 卓上テラワットレーザー / 時間分解X線回折 |
Research Abstract |
原子配列のミクロな構造を明らかにする、あるいはより明瞭な物体像の取得を可能とするX線ホログラフィを極短X線パルスを用いてピコ秒レベルで時間分解化することを目的として研究を行った。極短パルスX線源としてレーザープラズマX線を採用し、X線干渉像取得への第一歩としてシリコン単結晶を用いたラウエ回折像取得実験を行った。その結果レーザープラズマ起源のCukα線のラウエ回折像の取得およびそれによる金属メッシュのイメージングに成功したが、X線強度が十分でないために像が不明瞭であるという問題が生じた。そこで、レーザーターゲットの安定化およびレーザー集光強度の最適化等によるX線増強を行い、さらにS/N比の向上を目指してX線計測およびX線イメージングを行った。レーザープラズマX線の安定した発生のためにはレーザー横モードの高品質化、プリパルスの制御によるプリプラズマの安定化等が重要となる。加えて、高精度な像の取得のためには現状200μm程度であるX線源サイズの縮小も課題となる。また、数値計算においても、X線干渉計を用いた位相コントラスト法によるX線イメージングのシミュレーションを行うプログラムを開発し、実験との比較を行っている。さらに、生体試料の時間分解X線回折の予備実験として、レチナール粉末結晶からのX線回折を行った。今後、時間分解X線イメージングの高精度化のために、レーザーの強化及び安定化、ターゲット形状の最適化等によりさらなるX線の増強を行い、合わせて時間ゲート付き2次元X線検出器の使用等によって像のS/N比の向上を目指す。その後X線ホログラフィの取得を行う。また、時間分解X線回折の生体試料への適用として、レチナール分子等の光誘起構造変化を示す生体分子のX線回折像の時間分解化による取得も行う予定である。
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