2002 Fiscal Year Annual Research Report
広域地下水中の硝酸汚染実態及び自然淨化プロセスの解明に関する研究
Project/Area Number |
13480152
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
唐 常源 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80251198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (30201495)
佐倉 保夫 千葉大学, 理学部, 教授 (70153947)
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Keywords | 土壌・地下水汚染 / 硝酸態窒素 / 同位体 / 自然浄化プロセス / 汚染浄化 / 水循環 |
Research Abstract |
1999年に硝酸性窒素が地下水環境基準に指定されたが、その主要な負荷源が農業活動を中心とした非特定汚染源・面源で、実効的な浄化方法がないこともあり、広域的な汚染を安価に処理浄化する方法、とくに原位置での浄化法の早急な確立が求められている。面的で広範な汚染を安価に浄化するには、自然の浄化機能を最大限に利用することであるが、自然の浄化プロセスについては必ずしも明確になっていない。すなわち、窒素の浄化は脱窒により、還元的状悪で炭素源が存在することが条件として知られているが、地下水帯ではどこで、どのような条件下で起こっているのかは必ずしも明らかになっていない。そこで本研究では、千葉市、宮古島、及び中国の河北平原における飽和・不飽和帯における水浸透と硝酸態窒素の移動との関係を調べ、,その背後にある地形的特徴、地質、土地利用変化から地中水流動状況及び流域における硝酸性窒素の変遷機構を明らかにすることを目的とする。 本年度は次のようなことを把握した。 (1)千葉市では、台地から低地へかけて、地下水及び硝酸の分布を調べた。さらに、硝酸同位体及び酸化還元電位などの調査結果から、調査地域の硝酸起源が台地の畑作の施肥である。谷地で深度別にペゾメーター及び湧水中の硝酸濃度が深いほど高く、地下水が湧出過程で脱窒により硝酸濃度を減少することを示唆した。 (2)宮古島における地下水の硝酸性窒素汚染の歴史、経路、プロセスを現地での詳細調査を実施した。地下ダム建設に伴う地下水中の硝酸濃度の増大が認められなかった。地下ダムの影響について、更に調査が必要である。 (3)中国では、経済発展に伴う肥料利用量の増大や都市汚水灌概などの結果から、硝酸態窒素による地下水汚染が深刻しつつあることが明らかにした。 また、来年度の継続研究は、(1)現地での詳細調査、(2)地中水の硝酸態窒素挙動の把握、および(3)酸素、水素同位体、水質及び地下水流動を調べれば、流域の水循環を知ることが出きる。それに基づいて、硝酸性窒素汚染のプロセスを解明することができると考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chen, J.Y., Tang, C., Sakura, Y., Kondoh, A., Shen, Y.: "Groundwater flow and geochemistry in the lower reach of the Yellow River : case study in Shandong Province, China"Jour.Hydrogeology. 10(5). 587-599 (2002)
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[Publications] Sakura, Y., Tang, C., Yoshioka, R., Ishibashi, H.: "Intensive use of groundwater in some areas of China and Japan"Intensive Use of Groundwater. 337-353 (2002)
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[Publications] Yang, Y., Wang Z., Sakura, Y., Tang C., Hayashi S.: "Groundwater table and recharge changes in the Piedmont region of Taihang Mountain in Gaocheng City and its relation to agricultural water use"Water SA. 28(2). 171-178 (2002)
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[Publications] 吉村雅仁, 今泉眞之, 佐倉保夫, 唐常源: "割れ目系岩盤地下水に関する研究の現状"日本地下水学会誌. 44巻2号. (2002)