2002 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアのバイオマス燃焼による対流圏オゾン生成・増大の研究
Project/Area Number |
13480153
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
北 和之 茨城大学, 理学部, 助教授 (30221914)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 尭 茨城大学, 理学部, 教授 (10023681)
小池 真 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00225343)
近藤 豊 東京大学, 先端化学技術研究センター, 教授 (20110752)
野澤 恵 茨城大学, 理学部, 助手 (10261736)
|
Keywords | 対流圏オゾン / バイオマス燃焼 / 東南アジア / 温室効果 / 大気質 |
Research Abstract |
対流圏でもオゾンは,光化学で中心的役割を果たすとともに,強い温室効果気体であり,また大気質を劣化させ生態系に悪影響を与えるため,その増加は社会的問題である。東南アジアのバイオマス燃焼による対流圏オゾン生成・増大の研究として,平成14年度は以下のような研究を行った。 1.インドネシアオゾンゾンデデータと航空観測データの比較による東南アジアバイオマス燃焼のオゾン影響の定量 1998-1999年に行われた航空機観測BIBLE-A, Bとインドネシアで行ったオゾンゾンデ観測との比較により,インドネシアでのバイオマス燃焼の影響を受けた汚染空気がスマトラ島付近の対流活動により上部対流圏まで上昇し,その後インド洋から南太平洋の広範囲にわたり,上部対流圏のオゾンを約35-45ppbvと,影響を受けていない空気の約20ppbvに比較して1.5〜2倍に増大させていることを観測データから明らかにした。このデータは,光化学モデルからの推定値と一致する。結果の一部は論文として発表し,残る部分を現在論文にまとめている。 2.北半球春季にみられる太平洋上オゾン増大層と東南アジアバイオマス燃焼の影響の関係 2001年3-4月に行われたTRACE-P,2002年1,4,5月に行われたPEACE航空機観測において,太平洋西部〜中央にかけて北緯20度付近の高度3-5km域でオゾン,一酸化炭素などが高濃度の層が観測された。トラジェクトリー解析によると,この層はインドシナ域でのバイオマス燃焼の影響である可能性が高い。そこで,インドシナ域でのオゾン観測を計画した。具体的にはタイ北部のサムスリロン観測所においてバイオマス燃焼の盛んな3-5月にオゾンゾンデを24発打ち上げて,この期間のオゾン高度分布の変化を調べ,どの高度までバイオマス燃焼の影響が見られるのか,オゾン増大がすでに燃焼域付近で起こっているのか観測する。現在観測を開始した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Kita, S.Kawakami et al.: "Photochemical ozone production of ozone in the upper troposphere in association with the cumulus convection over Indonesia"Journal of Geophysical Research. 108. doi:10.1029/2001JD000844 (2003)
-
[Publications] Kondo, Y., M.Ko, et al.: "Effects of biomass burning, lightning, and convection on O3, CO, and NOy over the tropical Pacific and Australia in August-October 1998 and 1999"Journal of Geophysical Research. 108. doi:10.1029/2001JD000820 (2003)
-
[Publications] M.Koike et al.: "Reactive nitrogen over the tropical western Pacific : Influence from lightning and biomass burning during BIBLEA"Journal of Geophysical Research. 108. doi:10.1029/2001JD000823 (2003)