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2001 Fiscal Year Annual Research Report

琵琶湖における全循環欠損が生態―物質循環系に及ぼす影響に関する観測・理論的研究

Research Project

Project/Area Number 13480161
Research InstitutionLake Biwa Environmental Research Institute

Principal Investigator

熊谷 道夫  滋賀県琵琶湖研究所, 企画研究部門, 総括研究員 (40234512)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 辻村 茂男  滋賀県琵琶湖研究所, 企画研究部門, 研究員 (60300969)
早川 和秀  滋賀県琵琶湖研究所, 企画研究部門, 研究員 (80291178)
焦 春萌  滋賀県琵琶湖研究所, 企画研究部門, 主任研究員 (70280815)
和田 英太郎  総合地球環境学研究所, 教授 (40013578)
永田 俊  京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183892)
Keywords全循環欠損 / 湖沼 / 温暖化 / 酸素濃度 / 深水層 / 富栄養化
Research Abstract

全循環による深水層の酸素供給のしくみを、琵琶湖および同程度のサイズの湖沼において比較検討を行なった。それによると、琵琶湖においては、冬期の冷たい河川水による酸素供給が大きな比重を占めているが、近年の地球温暖化によって、酸素供給量が減少していることがわかった。また、深水層における有機物の増加によって、酸素消費量も増加傾向にあり、今後、さらに注意深い調査研究が必要である。同程度の湖沼として、中国雲南省にある撫仙湖、スイスにあるレマン湖のデータを解析した。撫仙湖周辺では、1995年頃から冬期の気温が上昇し、冬の全循環が不完全となる、いわゆる全循環欠損が始まっている。これによって、深水屑の酸素濃度が冬期に回復しない状況が進行しており、冬でも深い場所(水深150m以深)では、酸素濃度が2mg/L以下であった。一方、レマン湖の場合はさらに深刻で、1970年頃より全循環欠損が進行してきており、年間平均酸素濃度が2mg/L以下の低酸素化状況が多発・長期化してきていることがわかった。最近では、13年間低酸素状態が継続したが、1999年に突如全循環が起こり、深水層の酸素濃度が回復した。このように、突然、全循環が活発化する要因については現在調査中であるが、琵琶湖の酸素濃度の将来変化を考察する上で、非常に興味深い結果であると思われる。さらに、雲南省・チベット高原・青海省にある高原湖沼の調査も実施した。このことから、中国高原地帯で、地球温暖化に伴う湖沼の急激な変化が確実に進行しつつあり、その影響が琵琶湖にも及んでいる可能性が確認できた。琵琶湖の場合は、温暖化の影響による酸素供給の阻害と、富栄養化による酸素消費の拡大という、二つの大きな問題を抱えているだけに、十分注意する必要性がある。研究成果については、現在、論文の形でまとめているが、初年度ということもありまだ公表はできていない。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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