2003 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物での活性酸素によるDNA損傷の修復とその欠損の影響
Project/Area Number |
13480162
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 雅 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70216612)
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Keywords | 活性酸素 / グリコシラーゼ / DNA修復 / 発がん / 老化 |
Research Abstract |
活性酸素で最も頻繁に生じるDNA塩基損傷やDNA単鎖切断は修復されなかった損傷が突然変異や細胞死の原因になると考えられている。DNA単鎖切断の修復についてはこれまで余り理解されていなかったが、その理由は、細胞内で単鎖切断のみを作り出すことが難しかったからである。我々は、ヒト細胞に紫外線損傷を切る微生物由来のUV-エンドヌクレアーゼ(UVDE)遺伝子を発現させ、紫外線を核内の局所に当てて出来た損傷にUVDEを働かせで単鎖切断を作り解析する方法を開発し、実際のヒト細胞中で、単鎖切断によるPARPの活性化によりXRCC1がリクルートされる機構を始めて示した(Mol.Cell.Biol.23,3974-3981,2003)。この方法で(1)PARPの活性化が単鎖切断のある部位で局所的に素早く起こること。(2)XRCC1はBRCT1ドメイン依存的にポリADPリボーズに集積すること。(3)PCNAやCAF1がその後に集積すること。などをHeLa細胞で明らかにした。我々は最近、UV-Aレーザーをコンフォーカルレーザー顕微鏡のレンズから哺乳動物細胞の核の一部に照射し、レーザー強度や波長の変化、或いは光増感剤の添加により、活性酸素による種々のDNA損傷(単鎖切断、二重鎖切断、塩基損傷)を局所的に作らせる実験方法を開発したそれを用いて、単鎖切断や塩基損傷にどのように細胞が応答するかを修復蛋白質の抗体やGFPに融合蛋白質を細胞に導入してリアルタイムで解析し、これまで全く分っていなかった単鎖切断の修復経路を明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Li Lom et al.: "Functional and physical Interactions between ERCC1 and MSH_2 complexes"DNA Repair. 3. 135-145 (2004)
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[Publications] Fitch, ME et al.: "In vivo recruitment of XPC to UV-induced cyclobutane pyrimidine dimmers"J.Biol.Chem.. 278. 46906-46910 (2003)
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[Publications] Okano S.et al.: "Spatial and temporal assembly of the proteins involved in repair"Mol.Cell.Biol.. 23. 3974-3981 (2003)
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[Publications] Takahashi H, et al.: "Mouse dexamethasone-induced RAS protein 1 is expressed"Mol.Brain Res.. 110. 1-6 (2003)