2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480174
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木下 晋一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 俊彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40223713)
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Keywords | アゾ色素 / 脱色分解 / 脱色酵素 |
Research Abstract |
アゾ色素分解微生物を得るため、オレンジIIを用いて脱色能を指標にしたスクリーニングを行った。その結果、高いオレンジII脱色活性を示す細菌を分離した。この細菌は胞子形成能を有する好気性桿菌であり、16SrRNA遺伝子との比較からBacillus sp. B29株と同定した。この細菌の生産するアゾ分解酵素の精製を行ったオレンジIIを含む培地で培養した菌体を破砕後、得られた無細胞抽出液を粗酵素とし、DEAE-cellulose、Blue Sepharose CL-6B、Tbyopearl HW-55F、Blue SepharoseCL-6B(2^<nd>)の各カラムクロマトグラフィーにより順次精製を行い、電気泳動的に単一なタンパク質にまで精製した。SDS-PAGEおよびゲルろ過の解析から、この酵素は分子量34kDaのタンパク質ユニットからなるホモダイマーであり、酵素活性の発現には補酵素としてNADPHを要求した。酵素反応は50℃で最大活性を示し、60℃以下では1時間安定であったが、80℃では、完全に失活した。pHによる影響ではpH6.5で最大活性を示し、6.0から7.0の範囲で安定であった。金属イオンに対する影響では、Mn^<2+>で酵素活性が約3倍活性化され、Ag^+,Fe^<2+>で完全に阻害された。各種アゾ化合物に対する特異性では、ジアゾ化合物や芳香環に官能基のないアゾ色素には作用しなかったが、ニューコッシン、オレンジ16などに高い活性があった。速度論的解析によりこの酵素反応はping pong機構に従いオレンジIIおよびNADPHに対するKmは0.10mMと0.13mM、Vmaxは0.15μM/min、36U/mgであった。
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